漬物石でテストも

写真で見る日本HPの「コンピュータ工場」

2007/12/11

 日本ヒューレット・パッカードは12月11日、x86ブレード型サーバ「HP BladeSystem c-Class」の国内生産開始に合わせて同サーバを生産する東京都の昭島工場を公開した。昭島工場では海外から輸入した部材を使ってビジネスPC、ワークステーション、x86サーバを生産している。写真を中心に昭島工場で行われている“東京生産”をレポートする。

 組み立てラインがあるのは昭島工場の2階フロア。3階の部材置き場から部材を下ろして組み立て、1階から発送する。フロアの3分の1はPCの組み立てラインが占める。

akishima01.jpg PCの組み立てライン。4ラインあり、需要によって動かすラインを変動させる。昼と夜の2交代制

 組み立てラインの基本的な工程はPCもx86サーバも同じ。部材を組み立ててハードウェアの基本的なテストを行う「プリテスト」を実施。連続稼働試験の「ラン イン」を6〜12時間行った後、OSとアプリケーションをインストールする。注文仕様生産のため、各製品の構成は発注によってバラバラ。作業員は各部材に付けたバーコードをリーダーで読み取り構成を確認する。

 プリテストは作業員がモニターを目で確認して行う。ラン インやソフトウェアのインストールは自動化されている。x86サーバの場合は、サーバにリモートでログインして診断プログラムを走らせるという。ソフトウェアをインストールした製品の10%は抜き取り検査の対象になる。構成やI/O、機能、付属品などを改めてチェックする。抜き取った製品の10%をさらに選び、エンドユーザーが実際に行う作業を再現して、テストする。

akishima02.jpg x86サーバ「HP ProLiant」のライン。PCと異なり、1人の作業員が1台のサーバの組み立てを担当するセル方式を採用し、複雑な構成にも対応できるようにしている。1台のサーバを組み立てる時間は10〜30分
akishima03.jpg HP ProLiantのプリテストの工程。計測機器にサーバを接続し、作業員がモニターで機能を確認する
akishima04.jpg ラン インの工程。サーバに接続して検査プログラムを6〜12時間走らせる

 ブレードサーバ「HP BladeSystem」の生産もHP ProLiantとほぼ同じ。違うのはHP BladeSystemではエンクロージャとサーバブレードを別々に組み立てて、それぞれをテストした後、エンクロージャにサーバブレードを実装して再度テストすることだ。

akishima05.jpg HP BladeSystemの生産工程。エンクロージャ、サーバブレードを組み立ててテスト、ソフトウェアのインストールを行う

 日本HPはエンドユーザーが発注したサーバをラックに組み込んで発送する「HP Factory Express」を提供している。サーバがラックに実装され、必要なソフトウェアのインストールも済んでいるため、ユーザーが納品後すぐに利用開始できる。メンテナンスしやすいケーブルの処理など、HPにはノウハウがあるという。

akishima06.jpg HP Factory Expressでラックに組み込まれたサーバ。ケーブルがうまく処理されている
akishima07.jpg サーバブレードを380枚、300GBのハードディスクドライブを約1000個使う約16ラックの巨大システムも出荷を待っていた。1つのプロジェクトが発注したシステムという
akishima08.jpg PCの生産工程では12キロの漬物石を乗せて稼働を見る試験もある

(@IT 垣内郁栄)

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