仮想化ソフトスイート「VMware Infrastructure 3」をアップデート

「仮想化されたインフラの有効活用を支援」とヴイエムウェア

2007/12/12

 ヴイエムウェアは12月12日、仮想化ソフトウェア「VMWare ESX Server」に仮想サーバの構築や運用を支援するツールを組み合わせたスイート製品、「VMware Infrastructure 3」の新バージョンを発表した。

 VMware Infrastructure 3は、サーバ仮想化ソフトの最新バージョン「VMWare ESX Server 3.5」やマザーボードなどへの組み込み用仮想化ソフト「VMWare ESX Server 3i」を中核に、管理ツールの「VMWare VirtualCenter 2.5」、障害の起きた仮想マシンを自動的に再起動して高可用性を実現する「VMware HA」、仮想サーバの移行を行う「VMware VMotion」といったツールを組み合わせた製品だ。

 「サーバ自体の仮想化を実現するハイパーバイザーから、インフラ全体の仮想化へと焦点は移ってきた。そして昨年くらいからは、仮想化されたインフラをより有効に使うための製品に注力している。仮想化されたインフラを活用し、仮想マシンならではのサービスを提供するための製品がVMware Infrastructure 3だ」(同社テクニカルアライアンスマネージャの名倉丈雄氏)

 今回のメジャーアップデートではさらに、「VMware Storage VMotion」「VMware Update Manager」といった新ツールが追加されている。

 VMware Storage VMotionは、システムを停止させることなく、あるストレージから別のストレージへのデータ移行を可能にするツールだ。VMware VMotionは、仮想サーバを停止させることなく、ある物理サーバから別の物理サーバへと移行させるが、同じことをストレージに対して実現する。ストレージ機器の入れ替え作業などを計画的に、サービスを止めることなく行える点がメリットだ。「規模が大きくなり、仮想マシンが増えれば増えるほど、ストレージの変更管理が困難になるという顧客からの声があった。それに答えて提供するもの」(名倉氏)という。

 またVMware Update Managerでは、VMWare ESX Serverとその上で動作する仮想マシンへのパッチ適用/管理を自動化することができる。これとVMware VMotionを組み合わせれば、サービスを停止することなく、しかも少ない手間でアップデート適用作業を実施できるという。

 ほかに、VMWare VirtualCenterに、既存のサービスに対する分析から仮想マシンへの変換、配置までの一連の作業を自動化する「VMware Guided Consolidation」機能が追加された。また、「VMware Distributed Power Management」では、「サービスレベルに影響を与えない程度にサーバの電源を落とし、消費電力を最小化するとともに、ピークが来ればまた元に戻すことができる」(名倉氏)という。

 さらに、VMware ESX Serverそのものも、準仮想化やラージメモリページのサポートなどを図った最新版とすることで、「今よりも速く、大規模に、できるだけいろいろな環境で動かせるようにした」(同氏)。

 VMware Infrastructure 3には、VMware ESX Server/3iとVMware Consolidated Backup、VMware Update Managerを含むベーシックなスイート「VMware Infrastructure 3 Foundation」にはじまる6種類のエディションがある。日本語版は2008年前半より出荷される予定だ。

関連リンク

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:

アイティメディアの提供サービス

キャリアアップ


- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2024年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

コカ・コーラ流 生成AIをマーケティングに活用する方法(無料eBook)
生成AIがこれからのマーケティングをどう変えるのかは誰もが注目するテーマ。世界最先端...

DIORが本気で挑むラグジュアリー体験としてのAR
広告プラットフォームのTeadsがAR(拡張現実)とAI(人工知能)技術を応用したサービスを...