2GB、4GB版が2008年初頭に登場

インテル、「親指つめサイズ」の小型SSD発表

2007/12/17

 米インテルは12月14日、親指のつめ程度のサイズの新しいSSD(ソリッドステートドライブ)を発表した。多数の携帯機器で、次世代のモバイル、デジタルエンターテインメント、組み込みアプリケーションの重要なコンポーネントになるとしている。

 この「Z-P140 PATA(Parallel Advanced Technology Attachment)Solid State Drive」は、少数の記者とアナリストに初めて披露された。超小型で省電力、高性能のNAND型フラッシュメモリを使っており、容量は2GBと4GB。

 インテルはこのイベントで、1月にラスベガスで開催されるInternational CESで展示する製品の一部を披露した。

 「かつて、NAND型フラッシュメモリはコンピュータのBIOSを実行し、USBメモリにデータを格納するためだけに使われていた」とインテルのNAND製品部門プロダクトラインマネジャー、ドン・ラーソン氏はいう。「NAND型フラッシュは大きく発展したし、今後ももっと進化するだろう。Z- P140はその素晴らしい一例だ」

 Z-P140はペーパークリップよりも軽いが、OS全体――Linuxなど標準的なOS――を格納した上に、アプリケーションを入れる余地が十分にある一種の「システム・オン・チップ」を、標準的なPATAインターフェイスを使って提供するとラーソン氏は説明する。

 2GB版と4GB版は2008年初めに登場する。8GB版と16GB版は2008年内か2009年に提供される見込み。これらのバージョンはすべて、インテルの新しいモバイル機器向けプラットフォーム「Menlow」(SilverthorneプロセッサとPoulsboチップセットを含む)と連係すると同氏はいう。

 同氏は、Z-P140はノートPC、PDA、GPS機器、デジタル電話、ゲーム機などあらゆる範囲のITデバイスで使われるだろうと語る。

 「2010年前に64GB版の製造に入ると予測している。NAND型フラッシュメモリがHDDに取って代わる日が迫りつつある。もっとも、いくらか時間はかかるだろうが」(同氏)

 同氏は、Z-P140は読み込み速度40MB/秒、書き込み速度30MB/秒で、テストではHDDよりも30%高速で、消費電力も75%少なかったとしている。

 「この製品の方がランダムアクセスが高速だ。すべて純粋にメモリで、機械的なレイテンシがないからだ。回転するプラッタがないということは、消費電力が(HDDより)少ないということだ。熱もほとんど、あるいはまったく生じない。だからファンは不要だ」(同氏)

 Z-P140は3個のNANDデバイスを追加すれば16GBに拡張できるという。MTBF(平均故障間隔)は250万時間とされている。

 これまでのNAND型フラッシュメモリから大きく改善されているとラーソン氏はいう。

 「インテルには『ウェアレベリング』という優れたソフトウェア機能がある。これは、NAND型フラッシュドライブの表面全体をスキャンして、データを全体に分散することを可能にする。だから、ドライブの摩耗を早める可能性のある『ホット』な場所も『コールド』な場所もできない」(同氏)

 「この製品は、NAND型フラッシュメモリの寿命に関して以前からあった多くの問いへの答えだ」

原文へのリンク

(eWEEK Chris Preimesberger)

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