シンクライアントでもログ管理、富士通が「Systemwalker」強化IT全般統制の重要ポイント

» 2007年12月19日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 富士通は12月19日、シンクライアント向けの証跡管理ソリューションを強化したことを明らかにした。セキュリティや内部統制の整備を目的とするシンクライアントの導入は今後増加が見込まれるが、富士通によるとログの取得は既存機能では不十分。富士通が用意する新ソフトウェアを使うことで一般PCと同様の証跡管理が可能になり、IT全般統制を向上させられるとしている。

 富士通は「Citrix Presentation Server」向けの証跡管理ソフトウェア「Systemwalker Desktop Keeper for Citrix Presentation Server」を10月末に販売開始した。運用管理性や情報漏えい対策に優れるCitrix Presentation Serverだが、クライアントの操作ログの取得などは不得意。標準ではアプリケーションの起動/終了とシステムへのログオン/ログオフ程度しかログを取得できず、内部統制の観点から問題になる可能性があった。

富士通のソフトウェア事業本部 システムマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長 新田将人氏

 Systemwalker Desktop KeeperはCitrix Presentation Serverのログ取得機能を補完し、ファイル操作ログと印刷ログ、コマンドプロンプト内の操作ログを取れるようにする。取得したログは、 Systemwalker Desktop Keeperが取得する一般PCのログと一元的に管理可能。Systemwalker Desktop Keeper for Citrix Presentation Serverのサーバライセンス価格は45万円。

 システム全体のログ管理レポートを作成するSystemwalkerの機能も強化した。従来のOSに加えて、ミドルウェアやアプリケーションのログ管理についてもレポートを作成できるようにした。特にジョブスケジューリング定義の変更や操作を報告する機能を追加した。また、取得したログを保存するストレージとして同社の「ETERNUS AS500」と連携できるようにした。専用APIを使って、ストレージと「Systemwalker Centric Manager」を通信させ、ログデータの真正性を保証できるという。

 富士通のソフトウェア事業本部 システムマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長 新田将人氏は「業務プロセスのログを管理し、後から確かめられるようにする証跡管理がIT全般統制の重要なポイントになる」と指摘。運用管理製品の需要が高まっているとして、Systemwalkerのライセンス販売で今後2年間に200万本を目指すと話した。

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