国産製品が圧倒、中堅向けERP市場の調査レポートアイ・ティ・アールが発表

» 2008年01月07日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 民間調査会社のアイ・ティ・アールが1月7日発表した調査レポートによると、2006年度の国内中堅企業向けERP市場で外資系ベンダの製品が占めるシェアは10%程度(出荷金額ベース)で、外資系ベンダ製品が大きなシェアを獲得している大企業向けERP市場と対照的な結果になった。アイ・ティ・アールは国産製品の「きめ細やかなニーズへの対応や現場に即した機能改善などが評価」されているとしている。

 レポートによると、2006年度の国内ERP市場全体の規模は877億円。前年度と比べて出荷金額ベースで10%の成長だった。ERP関連への企業の投資は堅調に伸びるとしていて、2007年度も8.7%の成長を見込んでいる。

 そのうち、中堅企業向けERP市場は激戦区。アイ・ティ・アールが調査したのは37製品で、うち海外製品は8製品にとどまる。市場シェアでは10%程度。例えば2006年度の中堅企業向けERPの生産管理業務分野では、3位に外資のインフォア・グローバル・ソリューションズ、8位にローソンソフトウェアが入るが、外資系ベンダ製品のシェアは低く、国産製品が席巻している。

 その国産製品も各製品間の差が2ポイント未満と僅差。アイ・ティ・アールは「現状では、国産パッケージが圧倒的な支持を得ており、すぐにこの状況が一変することはない」としているが、大企業向けERPが10製品未満に市場が集約してきていることから、中堅企業向けERPでも同様に製品集約が進む可能性があると指摘している。

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