旧Opswareの製品群を自社製品体系下でリリース

運用自動化をIT管理製品の新たな柱に、日本HP

2008/01/21

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月21日、IT運用管理の自動化分野への本格的な参入を発表した。米Opswareの買収で獲得した製品を中心に、「ビジネス・サービス・オートメーション・ソリューション」として国内で展開を始める。

 同社ではこれまでOpenViewファミリなど「ビジネスサービス管理」製品群を提供、ITの監視やトラブル原因の究明を支援してきた。一方でITILに基づく運用管理プロセスの標準化を支援する「ITサービス管理」製品群にも力を入れてきた。しかし、日常の運用作業やトラブルシューティング作業自体の効率化についてはある種の“真空地帯”となっていた。買収によって手に入れた運用・管理自動化製品群をこの部分に当てはめることで、これまで欠けていた穴を埋めることができると日本HPでは意気込む。運用・管理自動化ソリューションはすでに市場として成立しているが、このベースのうえに同社の持つ他の管理製品群との連携を充実させ、さらに拡販を図っていきたい考え。

hp01.jpg Operations Orchestrationでは、各種管理ツールによる作業をワークフローとして定義し、実行できる

 日本HPは2月1日に、「HP Network Automation」「HP Server Automation」「HP Service Automation Report」「HP Operations Orchestration」の旧Opsware 4製品、そして3月1日に「HP Client Automation」を提供開始する。

 Network Automation、HP Server Automation、HP Client Automationはそれぞれネットワーク、サーバ、クライアントについて、プロビジョニング(初期導入・構成)や構成変更に必要な一連の作業を登録しておくことにより、人手を介さず自動的に実行させることができる。例えばサーバについては、物理サーバや仮想サーバのOSやアプリケーションのインストール、ネットワーク設定など一連の作業をあらかじめ登録し、必要に応じて起動できる。

hp02.jpg 日本HP 執行役員 HPソフトウェア事業統括本部長 西澤均氏

 Operations Orchestrationはこれらのツールをまとめ上げるもの。定型的な作業や問題解決シナリオを一連のワークフローとして定義し、実行できる。ワークフローには、HPのITサービス管理製品やビジネスサービス管理製品、他社の管理製品への命令や情報送受信を組み込むことができる。

 Opswareは当初、顧客の多くを通信事業者が占めていたが、その後製造業や金融機関による採用が進み、直近では「サービスプロバイダとそれ以外で半々の比率」(日本HP 執行役員 HPソフトウェア事業統括本部長 西澤均氏)で導入が進んでいるという。今後は複雑なITインフラを抱えるサーバ数が500台以上の企業に対し旧Opswareと日本HPの双方のパートナーを活用して拡販、この急成長市場を攻略していくとしている。

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(@IT 三木泉)

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