「どんなアプリケーションでもVBのパワーを」

最も初心者向けの言語は「Visual Basic」――スクリプト復活へ

2008/02/04

 米マイクロソフトでは、Visual Basicでスクリプティングの魅力を復活させる計画を練っている。

 1月31日にワシントン州レドモンドで開催された「Lang.Net」カンファレンスにおいて、同社でVisual Basicの主席アーキテクトを務めるポール・ビック氏は、「Bringing Scripting (Back) to Visual Basic」(Visual Basicでスクリプティングを復活へ)と題された講演で「われわれは過去を振り返っている」と述べた。

 VB開発チームが振り返っているのは、Visual Basicがスクリプティング言語として使われていた時代である。ただしビック氏は、この講演は「願望」を表明したものだと釘を刺した。

 「要するに、VBチームは.NETのコア言語でスクリプティング機能を復活させることに大きな関心を抱いているということだ」とビック氏はインタビューで語った。

 ビック氏によると、最初の大きなハードルは、「コンパイラとエディタ技術のアーキテクチャを変更して、Visual Studio環境の外でも使えるようにすることだ」という。

 VBチームでは、Microsoft Officeなどの大型ホストに注目することから始めるつもりだが、「現時点では具体的な計画はない」とビック氏は話す。「しかしVBの民主化をさらに進め、どんなアプリケーションでもVBのパワーを簡単に追加できるようにしたい」。

 ビック氏は、今回の講演は願望だとしている理由として、「われわれはこの方針にコミットしているが、目標到達の時期については明確になっていない。製品計画がまだ固まっていないため、実際の製品リリースについて話すことはできない」と述べている。

 ビック氏は講演の中で、Microsoft ExcelでVisual Basicをホストするデモを行った。同氏がデモで示したExcel内のスクリプティングウィンドウは、Visual Basicエンジンを利用してExcelを自動化するという内容だった。

 ビック氏によると、マイクロソフトのDLR(Dynamic Language Runtime)は、VBチームがVisual Basicをスクリプティング環境として提供するのに最適なコンポーネントだという。

 「DLRは要となるコンポーネントだ。スクリプトの相互運用性を実現するためにDLRを利用したい」と同氏は語った。

 同氏は、マイクロソフトがPythonとRubyを「IronPython」と「IronRuby」という形で同社の開発プラットフォームに取り込んだ経験に注目している。同氏によると、言語分野では「合体」が進んでおり、マイクロソフトでは自社の各種動的言語を互いに結合するモデルを目指しているという。

 「われわれが技術をオープンにすれば、ユーザーはプラグ&プレイを利用したり、Microsoftプラットフォーム上で異なる言語を使ったりすることが可能になる」とビック氏は話す。

 IronPythonを開発したマイクロソフトの技術者、ジム・ハグニン氏によると、これは同社がCLR(Common Language Runtime)で目指したゴールであり、DLRのゴールを補完するものであるという。

 ビック氏は米eWEEKの取材で、「.NETで“スクリプティング”感覚を実現するのはどの言語機能かといった言語的側面についても研究しているが、この部分はあまり明確になっていない」と語っている。

 「しかしアーキテクチャ面の研究は重要なので、われわれはそこから出発し、いずれ言語デザインなどの分野にも取り組むつもりだ。これは大きなプロジェクトであり、1回のリリースですべて完了することはないだろう」とビック氏は話す。

 Visual Basicの初期バージョンにはスクリプティング技術が組み込まれていた。実際、VBScript(Visual Basic Scripting Edition)はスクリプティング機能そのものだった。VBScriptはMicrosoft Windows Script Technologiesの一部として登場した。Microsoft Windows Script Technologiesは当初、Web開発者をターゲットユーザーとし、1996年に発表された。

原文へのリンク

(eWEEK Darryl K. Taft)

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