インタラクティブ・インテリジェンスが日本市場へ本格参入既存システムを選ばないコールセンターソリューションを提供

» 2008年02月05日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 米インタラクティブ・インテリジェンスは2月5日、報道関係者向け説明会を実施。同社 会長兼CEO ドナルド・E・ブラウン(Donald E.Brown)氏が日本市場へ本格参入すると発表した。

 インタラクティブ・インテリジェンスは、1994年にブラウン氏らが設立したコールセンターソリュション提供会社。1999年にNASDAQに上場し、2007年の売上高は前年比32%増の1億980万ドルで、現在のワールドワイドの社員数は650人。顧客はBMWやモトローラ、AIGなど約3000社を抱えているという。

ブラウン氏写真 米インタラクティブ・インテリジェンス 会長兼CEO ドナルド・E・ブラウン氏

 そして、同社の主力製品が「Customer Interaction Center」(CIC)だ。CICの特徴は、通信に必要なPBXや音声メール、コールセンターなどの各種機能を1つのプラットフォーム上にまとめている点。ブラウン氏は「電話や電子メール、テキストチャットなど、コンタクトセンター向けのアプリケーションに特に注力している。また、SIPなどのオープンな標準を使った音声システムも提供しているほか、シスコやマイクロソフトの音声インフラをすでに導入していてもCICが利用できるように設計している」とCICのメリットをアピールした。

 ブラウン氏は、今後日本市場向け戦略を強化していくと断言。日本では1998年以来、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)や日立情報通信エンジニアリングへOEM提供していたが、今後は投資を増大させ、2008年の日本の売り上げを2007年の2倍以上にしたいという。そして、日本市場向け戦略の第1弾として、2007年12月にリリースしたCICの最新バージョン「CIC 3.0」を完全に日本語対応させてリリースする。

 CIC 3.0では音声やデータを暗号化し、セキュリティを強化したほか、電話機をプラグインするだけで利用できる簡易設定機能や、「Microsoft Office Communications Server」(OCS)との連携などを強化した。モバイル向け機能では、Windows Mobileデバイス向けに新しいクライアントを用意。外出先からでも容易に使えるようになったという。

 そして、CIC 3.0の最大の特徴がBPM(ビジネスプロセス管理)の機能を取り入れたことだ。ビジネスプロセスを自動的に管理できる機能を搭載したことで、簡単にプロセスフローを定義できるようになったほか、社員の業務が自動的に割り当てられ、さらに適切なフォームが提供されるようになったという。ブラウン氏は、「BPM機能を取り入れたことで、従来のコールセンター向けだけのソリューションではなく、エンタープライズ企業での利用価値が大きく向上した。従来のバージョンでは、一部が日本語化されていただけだが、バージョン3からは日本語にすべて対応した」とコメント。

 今後の戦略については、「オープン化をさらに進める。すでにマイクロソフトとは同社のOCSを補完するような形で連携を強化し、APIを共同開発している。今後は日本市場向けの戦略を強化するので、将来的には日本独自の開発部隊も置きたいと思っている」(ブラウン氏)と語った。

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