富士通がSaaSビジネスのためのシステム基盤を構築今後3年間で連結売り上げ1300億円を目指す!

» 2008年02月07日 00時00分 公開
[谷古宇浩司,@IT]

 富士通は2月7日、データセンター事業のSaaS対応サービスを開始すると発表した。同社が提供するデータセンター内のシステム基盤に、パートナー企業がSaaS化したアプリケーションを載せる仕組みを構築する。SaaS市場の拡大を見込み、既存のデータセンター資産を活用しながら事業規模の拡大を狙う。今後3年間で1300億円(連結ベース)の売り上げ(CAGR30%)を目標とする。

 同社では「SaaSサービスメニュー」として、提供するいくつかのサービスを体系化している。プラットフォーム(基盤)部分とアプリケーションサービスの部分に分けられる。

 前者は、ホスティングサービスなど既存のデータセンター事業で提供してきたサービスに加え、課金・検索・バックアップなどSaaSサービスを提供するうえで必要となる補助的な機能をまとめた「ユーティリティサービス」(2008年4月から提供開始)や、「開発・検証サービス」(2008年3月から提供開始)が含まれる。後者には、汎用的なアプリケーション(メール配信、グループウェア、SNS)や、CRM・EDI、電子申請といった業種・業務に特化したアプリケーションが含まれる。

富士通写真 富士通 執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長 石田一雄氏

 パートナー企業は、これらのサービスが追加されたシステム基盤にSaaS化した独自のアプリケーションを載せて、エンドユーザーに提供する。自前のデータセンターを構築する手間や、保守・運用のコストが削減でき、またSaaSを提供する際の共通機能やセキュリティ対策機能を利用できるのが利点。

 国内のパッケージベンダは、Webの最新技術を活用した新事業の展開を行いたいとするニーズがあるものの、初期投資額の大きさや技術習得の困難さが壁となって、パッケージ販売によるライセンス事業のビジネスモデルから脱却できないのが現状。富士通では、SaaSに対応したシステム基盤を構築することで、まずはビジネスパートナーのビジネスモデルの転換を支援する。そのために、SaaSビジネスに必要な要素を技術・ビジネス両面からサポートするパートナープログラムも体系化した。

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