XenServerの機能拡張急ぐ

Presentation Serverは消える? シトリックスの新戦略

2008/02/13

 米シトリックス・システムズは2月11日、サーバ仮想化関連製品を含む同社製品の新たなブランド戦略を発表した。日本法人のシトリックス・システムズ・ジャパンはこれを受け、2月13日にブリーフィングを実施。データセンターを「デリバリセンター」に変革していくことを基本コンセプトに掲げた。

 シトリックスの主力製品「Citrix Presentation Server」は「XenApp」に改称する。製品の正式な名称変更は次バージョンからだが、マーケティング活動では新名称をすでに使用し始めている。サーバ仮想化製品「XenServer」、そしてこれをデスクトップ仮想化に適用するためのツール群「XenDesktop」(米国では今年前半に提供予定)と合わせ、エンド・ツー・エンドの仮想化ソリューションを取りそろえたというのが同社のメッセージだ。

citrix01.jpg ITを運用するだけでなく提供(デリバリ)することがコンセプト

 上記3製品に「NetScaler」を加えた4製品を中心とする自社製品の統合ブランドを、「Citrix Delivery Center」とすることも同時に発表した。静的で機動性に欠ける従来のデータセンターを、動的で新たな要件に素早く対応できるデリバリセンターに変えることが同社製品群の共通目的だとする。

 シトリックスはこのコンセプトを具現化する新たなツール「Citrix Workflow Studio」も今回発表した。Workflow Studioは同社製品群に広く適用できる管理自動化ツール。画面上にフローチャートを描くことで、さまざまな条件に従って運用を自動的に行うことができる。ある物理サーバ上で、昼間はアプリケーション用に稼働している仮想サーバを停止し、夜間はバックアップ・プロセスを動作させるといった切り替えを、管理者の介在なしに実行できる。サードパーティ製品との連携も図っていく。米シトリックスは2008年第2四半期にWorkflow StudioのTech Preview版を提供予定だが、最終リリース時期や価格は未定。

 米シトリックスはさらに、XenServerの新バージョン「Citrix XenServer 4.1」を2008年3月に提供開始予定であることも明らかにした。現行の4.0との大きな違いはXenAppを仮想サーバとして動作する場合のパフォーマンスの改善、ネットワーク・アプライアンスのストレージ製品の直接制御機能など。シトリックスはXenServerの機能改善に特に力を入れており、今年中にあと数回バージョンアップを実施する予定という。

 第2四半期には、現行のEnterprise Editionの機能(ライブマイグレーションやリソースプール)に、「Citrix Provisioning Server」などを組み合わせた「Citrix XenServer Platinum Edition」を提供開始する。Provisioning Serverは仮想サーバだけでなく、物理サーバの展開も統合的に管理できる点が他社にない大きな特徴となっている。

 新製品の国内でのリリース時期はすべて未定。

(@IT 三木泉)

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