イコールロジック製品はビジネスクリティカル用途に

デル、イコールロジックとEMCは「車の両輪」

2008/02/28

 デルは2007年11月、iSCSIストレージ専業ベンダであるイコールロジックを14億ドルで買収すると発表した。破格の買収金額もさることながら、イコールロジックが上場を次の週に控えていたことから、多くの人々が驚いた。

 この買収が完了したことを受け、デルは2月28日に東京都内で同社の新たなストレージ戦略を説明し、これまで同社がミッドレンジ・ストレージで推進してきた「Dell|EMC」ブランドの製品群とイコールロジックの製品「PSシリーズ」は競合するものではないと強調した。

 買収完了に伴い、イコールロジックはデルに吸収されたが、「イコールロジック営業本部」という専任部署が組織された。これはPSシリーズがデル以外のサーバベンダ経由でも販売されていることが主な理由だ。製品開発、製造を同一組織化することで、部品調達などでの相乗効果も期待できる。これまでイコールロジックは、マイクロソフトやヴイエムウェアとは協力していたものの、オラクルやLinuxベンダまで手が回っていなかった。バックアップ・スクリプトなどの対応で、今後はこれらベンダとデルの関係を活用できる」(デル イコールロジック営業本部 本部長 秋山将人氏)

 イコールロジックのPSシリーズは、デルがすでに販売している「Dell|EMC」ブランドの「Dell CX3シリーズ」と価格的に重なる(700〜1500万円)。PSシリーズはiSCSIに特化した製品で、従来ミッドレンジのネットワーク・ストレージで使われてきたファイバチャネルをサポートしない。一方、Dell CX3シリーズはiSCSIにも対応しているが、ファイバチャネルで実績を積んでいる。今後デルは、どちらの製品シリーズに力を入れていくのか。

dell01.jpg PSシリーズ、Dell CX3、そしてもう1つのiSCSI製品MD3000iのポジショニング

 デル エンタープライズマーケティング本部 本部長の中島耕一郎氏は「お客様に選んでもらうための選択肢を豊富に提供するのがデルらしさ」と話す。製品同士がオーバーラップして見えても、拡張性や機能、適している用途などは製品ごとに異なる。用途に応じて、ユーザー企業に最適な製品を選んでもらいたいという。

 では、何が選択のポイントになるのか。例えば「きっちりとERPをやりたい人はDell|EMCを選択するだろう」と秋山氏は指摘する。iSCSIというプロトコルがファイバチャネルに比べてパフォーマンス面で劣ることはないが、PSシリーズはパフォーマンス・チューニングを自動で行う。そこに人手による調整が入り込む余地はない。一方Dell CX3の場合は手動でチューニングもできる。いわゆるミッションクリティカルな場面での利用に向いているという。

 PSシリーズはiSCSIを採用していることだけが特徴ではない。初期導入から運用、ディスクベースのデータバックアップに至るまで、専門家の手を借りることなくほとんど自動で、しかも短時間に実行できることが人気の秘密だ。従って、ストレージにおける柔軟で迅速な対応が要求されるビジネスクリティカルな場面での利用に適しているという。サーバ仮想化もその1つ。PSシリーズの提供する自律性や柔軟性は、サーバ仮想化によるダイナミックな運用ニーズにマッチするという。

 「iSCSIかファイバチャネルかという問題ではない。ファイバチャネルの市場は今後も伸びていく。この2つはストレージの両輪となって進んでいく。イコールロジックの買収で、これまで片輪しかなかったものが、両輪になった」とデル エンタープライズマーケティング本部 ストレージ ブランドマネジャーの矢部聖一氏は話した。

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(@IT 三木泉)

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