フジテレビ、自前で動画配信開始、有料課金で収益確保狙うアイドリング!!!も配信

» 2008年03月26日 00時00分 公開
[谷古宇浩司,@IT]

 フジテレビジョンは3月26日、有料動画配信サービス「フジテレビ On Demand」のPC向け自社配信を開始すると発表した。4月1日から。モバイル版(フジテレビ On Demand モバイル)もオープンする。4月7日から。

 インターネット事業者5社とTV-VOD(ビデオオンデマンド)事業者12社に提供していたコンテンツ配信は今後も継続する予定。同社は、コンテンツの自社配信事業を「仮称 本店化計画」と呼び、従来の「支店」経由では達成が困難だったコンテンツの小売力強化を目指す。

 フジテレビ On Demandは、常時30タイトル/200本程度のコンテンツを用意している。4月1日の自社配信開始時点で「一割増」(同社)程度のラインアップ数増強を計画している。

 収益の基盤はコンテンツ視聴に対する課金。コンテンツごとに課金料が異なる。例えば、アニメーション「スカルマン」は、第1話は無料だが、第2話以降を見るには210円(税込み)かかる。また、モバイル版のみで配信する「24(Season4)」のアナザーストーリー24話(各1〜2分)は各回無料だが、アーカイブ化したものは有料になる。

フジテレビジョン写真 フジテレビジョン デジタルコンテンツ局 デジタル事業センター デジタルビジネス推進部長 塚本幹夫氏

 主なターゲットは、フジテレビのホームページを閲覧するユーザー。現在、フジテレビID取得者はおよそ60万人。

 無料で閲覧できるコンテンツを増やし、フジテレビ On Demandの集客力を高めながら、コンテンツの課金で事業の黒字化を目指す方針だ。フジテレビ On Demandのメディア力が向上した時点で、広告事業の展開も検討している。

 しかし、同社の事業展開における基本方針は「放送コンテンツは無料提供、ネットコンテンツは有料提供」(フジテレビジョン デジタルコンテンツ局 デジタル事業センター デジタルビジネス推進部長 塚本幹夫氏)。同事業の柱はあくまでコンテンツの有料課金であるといえる。

 ユーザーに有料コンテンツの視聴を促す“仕掛け”として、同社が計画しているのは、ショートタイムの各回を無料で提供しながら、アーカイブ化を進め、まとめて見るときに課金するというスキームだ。このスキームの成功は、過去のコンテンツが不特定多数のユーザーに有償で再利用されることで達成される。

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