中小企業が求めるSaaSは「使いやすく、そして安く」社団法人コンピュータソフトウェア協会のアンケート調査

» 2008年03月31日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 社団法人コンピュータソフトウェア協会は3月31日、今年1月に実施した「中小企業におけるSaaSの利用意向等に関する調査」の結果を公表した。これは、従業員300人以下の中小企業の経営者および情報システムに携わる従業員を対象に、SaaSに関するアンケート調査を行ったもの。

 現在社内で運用している業務システムをSaaSへ移行させたいと回答した人の割合は、全対象者の20%前後。業務別では、CRM、電子メール、グループウェアなどのフロント系システムではやや割合が高く、人事給与、生産管理といった基幹系システムではやや低い結果となった。また、2〜3年後にSaaSを「利用している」あるいは「利用するかもしれない」と回答した人の割合は約50%だった。

 SaaS利用のメリットについての質問では「初期コストが安い」(57.4%)「運用コストが削減できる」(48.1%)「導入までの期間が短い」(47.5%)などの回答が多かった。一方、デメリットに関しては「情報漏えいが心配」(65.1%)「ネットワーク障害があると使えなくなる」(62.1%)と回答した人の割合が高かった。また、SaaSベンダの社員による情報漏えいやデータセンターへの不正アクセスを心配する声が多い一方で、自社内で機密データを保持するよりも信頼できるSaaSベンダのサービスを利用した方がセキュリティ面で安心だという回答も全体の約60%を占めた。

 SaaSを選ぶ際に重視する要素については「利用料金」(93.8%)「SaaSの機能」(92.8%)といったSaaS特有のメリットを挙げる回答者が多い一方、最も多かった回答は「使いやすさ」(95.1%)だった。

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