重量470グラムで40GB HDD搭載

Vista+Atom+PHS端末「WILLCOM D4」ウィルコムが発表

2008/04/14

 ウィルコムとシャープは4月14日、Windows Vista Home Premium SP1を搭載する小型のモバイル端末「WILLCOM D4」を6月中旬に発売すると発表した。インテルのAtomプロセッサとWindows Vistaを搭載する製品は世界初。

 インテルAtomプロセッサZ520(1.33GHz)、1024×600ドットの5型液晶ディスプレイ、40GBの1.8インチハードディスク、1GBのメモリ、QWERTYキーボードを搭載するなどノートPCに近いが、重量は470グラムとペットボトル程度。サイズは188ミリ(幅)×84ミリ(奥行き)×25.9ミリ(厚み)。バッテリ持続時間は発表時点では「測定中」(ウィルコム)で、後日Webサイト上で発表するという。「数時間というレベルで現在、改善中」(ウィルコム)。別売の大容量バッテリも用意する。

willcom01.jpg ウィルコムが発表したインテルAtom搭載のWindows Vista機、「WILLCOM D4」。小さいほうは別売の音声通話用Bluetoothハンドセット
willcom02.jpg 画面はキーボードに対して水平にして使うこともできる。このまま下に画面をスライドしてキーボードなしの操作スタイルも可能。表示部左右のセンサ部がマウスクリックとタッチパッドとなっている
willcom05.jpg 画面とキーボードはスライド式。これはスライドを開いて横から見たところ
willcom06.jpg 別売のクレードルに収めたところ
willcom03.jpg クレードルを使うと外部ディスプレイへの出力も可能

 本体にはこのほかワンセグチューナーや198万画素のCMOSカメラ、USB端子(miniABコネクタ)、microSDカードスロットなどを搭載する。また表示部の左右にタッチパッドとマウスボタンを搭載。キーボードを畳んで閉じた状態でも、マウスカーソルの移動やクリックができる。

 通信機能としてPHS、IEEE 802.11b/g、Bluetooth 2.0をサポート。PHSでのデータ通信については最大204kbps。イーモバイルやソフトバンクなど3G対応スマートフォンに比べて遅いが、「(1つの基地局当たり接続端末数が少ない)マイクロセルを使った基地局設計で実効速度が落ちにくいという特徴は、この5、6年で証明してきたこと」(ウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏)としている。またウィルコムは2009年中には次世代PHSサービスを開始する予定で、大幅な高速化が期待されているが「現在利用しているW-SIMが、そのまま次世代PHSで利用できるかは不明」(喜久川氏)としている。

willcom04.jpg ウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏

 別売の専用クレードルを通して有線LANも利用できる。クレードルは有線LANのほか、外部ディスプレイ出力端子、オーディオ出力端子、USB ×4ポートを備える。

 本体にマイクはないが、付属のヘッドセットか別売のBluetoothハンドセットを使えば通話も行える。ただし、音声通話や留守番電話サービスは、契約したW-SIMと紐付いたユーザー名でWindowsにログインしていて、休止・スリープ状態でない場合のみ利用可能。電源オフの時には着信できない。

 携帯電話端末として見ると特殊だが、「PCの環境をそのままお使いいだけるのはVistaがベストだと判断した」(喜久川氏)と、むしろUMPCと見たほうが良さそうだ。PCで動くソフトウェアは基本的に何でも動くといい、「ゲームコンテンツやGPSによるナビゲーションシステムなど、モビリティを生かした形でパートナーと協業していきたい」(喜久川氏)としている。プリインストールで、Office Personal 2007とOffice PowerPoint 2007が付属する。外部ディスプレイ出力と合わせてプレゼンテーション機として持ち運べる。

 価格はウィルコムストアで12万8600円(税込み、以下同)。割賦販売制度「ダブルバリューセレクト」を利用した場合は頭金3万9800円、3700円×24カ月(8万8800円)だが、ダブルバリューセレクト割引が1600円×24カ月(3万8400円)あり、実質負担金は月額2100円× 24か月となる。これに「新つなぎ放題」をセットにした場合、月額合計は5980円となる。5月下旬から予約を開始する。

(@IT 西村賢)

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