CTC、直流電源対応サーバでグリーンITに注力売り上げ目標は3年間で100億円

» 2008年04月17日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 伊藤忠テクノソリューションズ(以下CTC)は4月17日、国内で初めて米ラッカブルシステムズ(以下ラッカブル)と販売代理店契約を締結したと発表した。

 ラッカブルの低消費電力サーバとストレージを、CTCが展開する仮想化シェアード・ホスティングサービス「IT統合基盤サービス」のプラットフォームとして採用し、4月下旬から提供開始する。大手コンテンツプロバイダや、高性能なサーバ需要が高い企業をメインターゲットに、今後3年間で100億円の売り上げを目指す。

 CTCの常務執行役員 データセンター事業グループ担当役員の松澤政章氏は、「世界的なグリーンITの流れを受けて、データセンターの効率化、省力化が重視されている。ラッカブルは非常に高効率なデータセンター技術を持っており、製品の品質、信頼性も高い。ラッカブルにとっては弊社との提携がグローバル展開の第一歩。今後、強いリレーションシップをもって活動を展開することで、環境問題の一助となればと期待している」と述べた。

ラッカブル社のシニアバイスプレジデント トニー・カロッツァ(Tony Carroza)氏とCTCの松澤政章氏(左)、唐木眞氏(右)

 続いて、ラッカブル社のシニアバイスプレジデント トニー・カロッツァ(Tony Carroza)氏が自社のアドバンテージについて解説。

「2001年に発表した従来の半分の奥行きで1Uの機能を提供する1U half-depthサーバをはじめ、今日において、どの会社よりも高効率、高密度なサーバを提供できる。高効率なデータセンターの実現で、世界をリードしている日本市場への進出戦略において、グリーンなデータセンター構築に注力しているCTCとのパートナーシップは、非常に重要な要素だと認識している」と述べた。

 ラッカブルのサーバ/ストレージ製品は、奥行きが従来型サーバの約半分であるhalf-depthサーバデザインを採用し、1ラックに88のサーバを搭載可能。直流電源方式を採用し、従来の交流電源方式に比べて電力消費を最大30%削減できる。

1ラックに88のサーバを搭載可能。優れた冷却効率も誇るラッカブル

 サーバラック内には同社製の交流/直流交換機も搭載し、従来の交流型電源方式のデータセンターでも導入可能とした。さらに、サーバの背面同士を向かい合わせて対面設置する「Back to Backマウント方式」を採用。ラック内部中央にサーバから排出される高温の排気を集約する排気路を設け、優れた冷却性能を実現している。

 また、トニー氏は長さ10メートルのコンテナに1400のサーバを搭載した「可動性あるモジュラーデータセンター」の事例も紹介。「低電力技術と優れたスペース効率、新技術を即座に提供できるサービス体制などをもって、ラックの導入からデータセンターの構築まで、顧客のあらゆる要望に柔軟に対応できる」と力説した。

 最後にCTCのDC事業企画室 事業開発部 部長の唐木眞氏が、今年秋に完成予定の東京都文京区・目白坂データセンターの紹介とあわせて、データセンタービジネスにおける今後のグリーンIT戦略について解説。

 サーバルーム診断から運用改善まで、ワンストップでサービスを提供するグリーンファシリティマネジメントサービスをはじめ、大規模ユーザー向けに専有タイプのホスティングサービスを提供する仮想化シェアード・ホスティングサービスの拡張、またラッカブル製品をはじめとするグリーンIT実現のための製品・サービスの販売を通して、「CTCグループをあげて、グリーンITソリューションの展開に注力していく」と述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ