VTL、バックアップNASで新機能

“IT予算が増えない企業に重複除外を”、EMC

2008/06/04

 EMCジャパンは6月4日、同社製品におけるデータ重複除外機能の提供を拡大していくことを発表した。具体的には、既存の仮想テープライブラリ(VTL)製品「EMC Disk Library 4000」に重複除外機能を提供する追加モジュール「3Dエンジン」などを搭載した新バージョン、そしてバックアップ用NASの新製品「EMC Disk Library 3D 1500/3000」を発売する。

 「生成される情報量は毎年60%で伸びる。だからといってストレージベンダがもうかるということには直接つながらない。(ユーザーである)企業の売り上げはこれほどの率で伸びないからだ」(EMCジャパン執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏)。したがってユーザー企業にとって、データ量の伸びに比例したストレージ関連製品への投資は難しい。

emc01.jpg EMCジャパン執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏

 そこで同社が推進するのがデータ重複除外機能。簡単にいえば、あるデータをストレージに保存した後で、このデータを一部改変したデータを保存する際には、改変部分のみを追加する技術だ。エンドユーザーやアプリケーションからは、この2つを別個のデータとして使えるが、ストレージ容量は節約できる。

 VTL製品のEMC Disk Library 4000では、データ重複除外機能を提供する3Dエンジンを追加購入し、管理ソフトをアップグレードすることにより、いったんデータがDisk Libraryにバックアップされた後で、データの重複が除外されるようになる。この新バージョンではさらに省エネ機能として、利用していないディスクドライブ群の回転を止める機能を提供するとともに、5400rpmという低い回転数で消費電力を抑えたディスクドライブを投入する。

 新製品の「EMC Disk Library 1500/3000」はCIFS、NFS経由でデータをバックアップするための専用装置。オプションでVTL機能とSAN接続に対応する。こちらはデータ重複除外機能を標準で搭載し、事前の設定により、バックアップ時に行うか、バックアップ後に定期的に行うかを選択できる。

 EMCはデータ重複除外機能を「Avamar」というソフトウェアですでに提供している。この製品ではサーバにエージェントをインストールすることで、このサーバ上のデータの重複除外に加え、バックアップサーバ上のデータとの重複除外も実行する。今回はAvamarの新バージョン「Avamar 4.0」とそのアプライアンス版である「Avamar Data Store Gen2」も発表。1サーバあたりのバックアップ領域を約2倍に拡張したことで、さらにコスト効率を向上できるという。

 Avamarは重複除外をデータソース側で実行するため、サーバ仮想化環境やWAN経由のバックアップに適している一方、Disk Libraryの重複除外はバックアップソフトを変更せずにテープ装置を入れ替えたい、あるいは大規模環境で高いパフォーマンスが必要な場合に適しているとEMCジャパンでは話している。

 ディスクドライブ・スピンダウンと重複除外は、今後EMCのそのほかの製品にも組み込まれていく可能性がある。

(@IT 三木泉)

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