これからはソフトウェアでグリーンIT実現を、インフォア省エネ支援機能を新搭載した設備資産管理ソリューション

» 2008年07月03日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズは7月3日、省エネルギー支援機能を付加したEAM(設備資産管理)ソフトウェア「Infor EAM Asset Sustainability Edition」を同日より提供開始すると発表した。

 同社はこれまで、2006年1月に買収した米データストリームの製品「7i」をベースにしたEAMソフトウェア「Infor EAM」を提供していた。今回リリースしたInfor EAM Asset Sustainability Editionは、Infor EAMにエネルギー消費追跡、CO2管理、冷媒排出管理といった省エネルギー・環境保護対策機能を新たに付加したもの。こうした「グリーンIT」機能を備える製品は数多いが、同社 インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 本部長の笹俊文氏は、同製品と他社製品との違いを次のように説明する。

写真 日本インフォア・グローバル・ソリューションズ インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 執行役員 本部長 笹俊文氏

 「『グリーンIT』を標榜する製品の多くがハードウェアの改良による消費電力削減を目指す中、Infor EAM Asset Sustainability Editionはソフトウェアの機能によりグリーンITの実現を支援する。われわれはこうした取り組みを『グリーン by IT』と呼んでいる」(笹氏)

 一般的なEAM製品は、企業が保有する各設備資産の保守・管理コストを分析し、設備計画の最適化を支援する機能を持つ。Infor EAM Asset Sustainability Editionはこの機能をベースとし、主に製造業の企業が保有する各種設備のエネルギーコストを設備ごとに収集・分析し、エネルギー効率最適化戦略の策定を支援する。

写真 日本インフォア・グローバル・ソリューションズ エンタープライズソリューション・ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティングマネジャー 三輪洋照氏

 同社 エンタープライズソリューション・ビジネスコンサルティング本部の三輪洋照氏によると、「従来からエネルギー情報管理システムというものは存在したが、工場全体・フロア全体といった大まかな単位でしかエネルギーコストを把握できず、個々の設備・機器の単位まで細分化して管理できなかった。一方、従来のEAMシステムは設備・機器の管理はできるものの、エネルギー情報を資産保全戦略に組み込むことができなかった。Infor EAM Asset Sustainability Editionは、EAMにエネルギー情報管理機能を組み込むことにより、設備・機器ごとにエネルギー効率を管理できるようにした」という。

 具体的には、各設備・機器の消費電力や稼働時間をサブメーター装置で測定し、取得する。これを当初の計画値と比較し、各設備ごとのエネルギー効率を算出する。また、エネルギー供給会社から取得した「エネルギー源ポートフォリオ」データと比較することにより、消費エネルギー当たりのCO2排出量を算出することも可能。設備のエネルギー効率を維持するための保守やリプレースに要するコストと、エネルギー購入コストとの間のバランスを最適化した設備投資計画の策定を支援する。そのほかにも、設備が最適な稼働状況から外れた場合に点検整備作業の指示を自動的に発令する機能や、米国環境保護局のガイドラインに基づく冷媒の追跡管理機能などを備える。

 同製品は海外では2008年4月にリリースしており、すでに十数社へ導入済みだという。国内では、同社ERP製品の主要ユーザーである製造業の企業を中心に、「初年度は10社以上への導入を目指す」(笹氏)としている。

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