EMCジャパンは7月9日、「情報インフラストラクチャ・コンサルティングサービス」を開始すると発表した。同社は、従来からコンサルティングサービスを提供していたが、今回新たに体系化し、正式サービスとして本格的に取り組んでいくという。
今回、EMCが提供するコンサルティングサービスは、7年前から提供しており、これまでに45社の提供実績がある「ITインフラ構築のためのコンサルティングサービス」を体系化し、サービスフローに関するテンプレートを新たに整備した内容。ITインフラ構築だけでなく、上流から下流までITシステム全体を見据えたコンサルティングサービスの提供を開始するという。サービスは、「インフラ全体最適化」「情報管理最適化」「仮想化」「データセンター移転/統合」「災害対策」「情報セキュリティ」の6種類が用意されている。
コンサルティング部門を束ねるEMCジャパン 執行役員 テクノロジー・ソリューションズ本部長の有安健二氏は、「デジタル情報は飛躍的に増加し続けている。IDCとEMCの共同調査では、2006年に生成されたデータは173エクサバイトだったが、2011年にはその10倍の1.7ゼッタバイトが作られると予測されている。このように『急増するデータをいかにうまく活用するか?』が企業にとっては重要な問題だ。そこで、当社では情報(データ)を中心にしてコンサルティングを行っていく。現在の企業のITシステムは、多くが部署ごとに縦割りでサーバを構築している。それをデータ中心に再構成することで最適化していきたい」と、方向性を示した。
コンサルティングサービスの流れとしては、「インフラ全体最適化」サービスで現状のビジネスプロセスの把握・分析を実施。その後にサービスレベルを定義し、サービスレベルやサービス要件に基づいて、階層化などのアーキテクチャ標準を定義するという流れだ。「最終的にはROI分析を行い、最適化を行うことで○○%のコスト削減ができる、といった提案を行うのが一応のゴールとなる」(有安氏)とした。プロセス分析やアーキテクチャ構築では、業界別に数種類用意したテンプレートを用いることで、時間とコストの節約を可能にしているという。
一般的な例では、現状分析に約6週間、アーキテクチャ構築やROI分析に約6週間の計3カ月が平均だという。この場合、数名のコンサルタントが従事し、コスト的には3000万円程度だとした。
他社のコンサルティングサービスとの差別化ポイントについて、有安氏は「ITではなく情報(デジタルデータ)を中心に考えてコンサルティングしている」「システムの実装までケアできる」「第三者の視点でできる」という3点を挙げたほか、今後の目標については「現在、コンサルタントとして活躍しているのは20人程度。これを今後3年間で5倍にまで増やしたい。コンサルティングサービスは属人的なので、人数が5倍になれば売り上げも5倍くらいにしたい」と語った。
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