環境対策だけじゃない、SASがサステナビリティ戦略を支援全社的な見える化で活動を最適化

» 2008年07月09日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAS Institute Japanは7月9日、環境対策など企業のサステナビリティ(持続可能性)戦略を支援する新しいソリューション「SAS Sustainability Management」を提供開始すると発表した。環境対策だけでなく、経済的側面、社会的責任の側面の3つについて「全社的な見える化を行って、戦略に基づき、活動を最適化できる」(SASの代表取締役社長 吉田仁志氏)のが特徴という。

 企業におけるサステナビリティとは経済成長を続けながら、自然環境を守り、社会的責任を果たすこと。吉田氏は環境、経済、社会のそれぞれについて「全社的な視点で見通し、バランスさせることが重要」と話した。Sustainability Managementはこの3つについて「企業が戦略的に取り組めるよう経営を支援するソリューションだ」(吉田氏)。

SAS Institute Japanの代表取締役社長 吉田仁志氏

  Sustainability ManagementはSASがこれまで提供してきたパフォーマンス管理の考えを環境、経済、社会に適用する。「戦略策定・KPI管理」「活動計画」「予測・分析」というサイクルを回すことで、環境、経済、社会についての企業の業績を向上させる。

 戦略策定・KPI管理は、SASのパフォーマンス管理製品「SAS Strategic Performance Management」が担う。「Global Reporting Initiative」が策定したサステナビリティについてのガイドラインに準拠したフレームワークを組み込んでいて、環境、経済、社会のそれぞれについてパフォーマンス指標を設定できる。この指標をモニタリングすることで、取り組みを見える化し、将来の予測、リスク管理を行う。

Sustainability Managementのダッシュボード。さまざまな指標を管理できる
CO2排出量をモニタリングできるSAS Activity-Based Management

 また、企業活動におけるCO2排出量をモニタリングできる「SAS Activity-Based Management」も、Sustainability Managementのコンポーネントの1つ。原価管理の考えをCO2に適用し、自社の電力や燃料消費、取引先のエネルギー消費から、製品、顧客、事業所ごとにどれだけのCO2が使われたかが分かる。CO2削減のシミュレーションを行う機能もある。

  Sustainability ManagementはSASのビジネスインテリジェンス基盤である「SAS Enterprise Intelligence Platform」の上に構築されていて、将来の予測・分析機能をサステナビリティ戦略に生かすことができる。

  Sustainability Managementの価格は最小構成で3000万円から。SASの顧客が多い金融、保険業界のほか、コンシューマ製品や重工業製品を扱う製造業、リテールなどの業種に売り込む。環境対策に強みを持つパートナーとも協力し、2008年中に5社の獲得を目指す。

 

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