物流を「グリーンロジスティクス」に、アイログが設計支援製品コスト、サービスレベル、環境対応を最適化

» 2008年07月17日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 アイログは7月17日、コスト、サービスレベル、環境対応のバランスを取り、サプライチェーンを最適化するソフトウェア「ILOG LogicNet Plus 6.0 XE」を販売開始すると発表した。全世界に工場、販売先を持つ製造業などのロジスティクス再設計を支援する。

 LogicNetはアイログ本社が2007年に買収したLogicToolsの製品。LogicToolsには250社以上の顧客企業があったという。LogicToolsの共同創立者で、現在はアイログのチーフ・サイエンス・オフィサーと、マサチューセッツ工科大学の教授を務めるデイビッド・スミチレビ(David Simchi-Levi)氏は、LogicNetを「グリーンロジスティクスを実現する」と説明した。

 同製品はサプライチェーンの中で、ネットワーク・デザインや運送計画などの基本部分を担う。工場、倉庫、配送ラインの最適な数や場所、規模などを判断し、どの製品をどの工場で生産するかの情報も加味して、企業のサプライチェーン計画を支援する。アイログの最適化技術が組み込まれていて、生産や倉庫管理、輸送活動のそれぞれのコストとサービスレベルのトレードオフ関係を分析する。

アイログのチーフ・サイエンス・オフィサー デイビッド・スミチレビ氏

 最新版の6.0では、上記の機能に「グリーンロジスティクス・モジュール」を追加した。同モジュールを使うことで、あるネットワーク構成や輸送戦略を構築した場合の二酸化炭素排出量を試算できる。具体的には工場や倉庫、輸送形態によって異なる二酸化炭素排出量のモデルデータが用意されていて、現状の自社の二酸化炭素排出量だけでなく、サプライチェーンを変更した際の排出量がシミュレーションできるようになっている。

サプライチェーン計画を最適化する「ILOG LogicNet Plus 6.0 XE」の利用画面

 また、サプライチェーンにかかるコストと、実現できるサービスレベル、その際の二酸化炭素排出量という3者の相関関係をGUIで確認でき、顧客企業は環境に配慮しながら、ビジネス的にも最適な決定を行うことができるという。

 価格は1800万円からで、アイログは初年度5社の獲得を目指す。グローバルに活動する製造業のほか、物流業、流通・小売業などに販売する。

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