製造業の“聖域”保守部品の需要を予測する、オラクルDemantraの予測エンジンを組み込んだ新アプリ発表

» 2008年07月29日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは7月29日、製造業の保守サービス向けに保守部品の在庫や提供を最適化する新アプリケーション「Oracle Service Parts Planning」を販売開始すると発表した。オラクルの需要予測アプリケーション「Oracle Demantra」の需要予測エンジンを組み込み、季節変動、ロケーションを考慮しながら保守部品の在庫や補充、配送などを計画できるという。

 Service Parts Planningは製品や設備の保守サポートで必要となる部品の需要予測や補充、分配を計画するためのアプリケーション。家電やオフィス機器、産業機械、建設機械など保守サービスを行っている製造業がターゲットだ。日本オラクルの製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 部長の塚越秀吉氏は「サービス業務は優良顧客の囲い込みへの大きな差別化要因になる」と話した。

日本オラクルの製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 部長の塚越秀吉氏

 日本オラクルの製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 シニアディレクターの岡田行秀氏は、「保守パーツは多めに保有すると在庫となるが、足りないと顧客へのサービスレベルが低下する大変難しい領域。そのため経営者にとって“聖域”となっていて、多くの企業で手を付けられていない」と説明する。多くの企業では「担当者の勘と経験によってExcelシートで保守部品を管理している。システム化や標準化はされていない」状況という。

 Service Parts PlanningはOracle Demantraの予測エンジンを採用することで、間欠需要や季節変動需要、足早需要、不良率、品目継承などを考慮に入れた最適な保守部品予測を行うことができる。この予測に基づき、全社レベルで部品在庫の最適化ができ、部品の配置や輸送計画、新製品の購入計画などを立てることができる。岡田氏は、「他社製品と比較して10%以上の予測精度の向上が期待できる。精度にばらつきが少ないのが特徴で、実務に使える」と話した。

 価格は3000万円から。「Oracle Spares Management」「Oracle Purchasing」など「Oracle E-Business Suite」製品と連携させることもできる。

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