ETL市場はインフォマティカとIBMの2強状態、DBベンダの切り崩しは?国内市場規模は33.3%増の50億円に

» 2008年08月05日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 2007年度の国内ETL市場でインフォマティカが出荷金額ベースで首位になった、と民間調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)が8月5日に発表した。国内ETL市場はインフォマティカと日本IBMの2強状態が続いているが、今後はデータベースにETL機能を盛り込むRDBMSベンダとの競争が激しくなるとITRは分析している。

 2007年度の国内ETL市場は前年度比33.3%増の50億円だった。基幹システム間のデータ統合という大口案件を獲得したインフォマティカが、前年度比123.5%増と売り上げを大きく伸ばしたことが市場全体を押し上げた。2006年度までは日本IBMがトップだったが、新製品の遅れなどから、インフォマティカに首位を奪われた。

 出荷金額ベースのシェアはインフォマティカが38%、IBMが33%、ビーコンITが6.6%、SAS Institute Japanが6%、グループワン ソフトウェアが5.6%、その他が10.8%。

ITRが発表した2007年度の国内ETL市場シェア

 ITRのシニア・アナリスト 生熊清司氏は、「ETL製品はデータウェアハウス・プラットフォームとして機能するだけではなく、MDM(マスターデータ管理)機能などを含む全社レベルでのデータ統合基盤として機能することがより重要になってきている」と指摘する。

 そのうえで「企業でのデータ統合のニーズは増加しており、市場全体としては拡大が見込まれるが、オラクルやマイクロソフトはRDBMS製品にETL機能のバンドルを行っていることから、今後、専業ベンダとRDBMSベンダとの間での競争がより激しくなるだろう」と分析する。

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