オラクル、無料のSOA導入支援コンサルサービスを開始2〜4週間のワークショップを行ってSOA導入をサポート

» 2008年08月07日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本オラクルは8月7日、SOA導入のためのコンサルティングサービス「SOA Insight」の提供を開始したと発表した。日本オラクル 代表執行役員 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は、「日本のSOA事情はかなり遅れており、進んでいないが、いま投資しないとますます他国と比べて競争力が下がってしまう」と警告した。

 SOA Insightは、ワークショップを中心に約2〜4週間かけてSOA導入の進め方をガイドするコンサルティングサービス。「SOAアーキテクト」という専門家が4〜8名体制で、ビジネスプロセスやITの課題を分析し、SOA構築のロードマップ策定やベストプラクティスの提供などを行う。オラクルのSOA製品ライセンス購入を前提とすれば、無料で利用できる点が特徴だ。

遠藤氏写真 日本オラクル 代表執行役員 最高経営責任者 遠藤隆雄氏

 遠藤氏は、「無料で提供するので費用対効果を出すのが難しいが、スピード重視で提供していきたい。スパゲッティ状態の既存システムを立て直すのに、SOAはかなり有効な手段だ」とコメントした。

 具体的には、企業のSOA成熟度を評価する「成熟度アセスメント」、SOA導入に適した案件の選別と分析を行う「プロジェクト優先順位策定」、ビジネスバリュー試算とSOA効果の試算を行う「効果試算」、ベストプラクティスを提供する「ベストプラクティス」、SOA構築に向けたロードマップを策定する「ロードマップ策定」の各サービスを用意した。

 日本オラクル SOAアーキテクト本部長 的場大輔氏は、「SOA Insightの特徴は、スピードアップと専門家集団がサービス提供をするという2点だ。日本の多くの企業では、SOA導入まで2年半〜3年悩んでおり、その間にSOA専門家並みに詳しくなっている担当者も多い。しかし、米国でSOA導入に成功している企業を見てみると、難しいことを考えないでさっさと導入している企業が多い」と説明した。

 実際にSOA Insightのコンサルティングでは、2〜4週間の間に最低でも3〜4回のセッションを実施し意見交換を行うことで、「SOA導入過程で、お客さまに納得してもらうことが大事」(的場氏)という。

 遠藤氏は、日本のSOAの状況について「日本のSOA導入は、IT部門主導で行われているので、経営トップは『何でITシステムの刷新に、そんなにコストをかけなければならないのか』と考え、コストが捻出されないフシがある。しかし、本来であれば業務プロジェクトとしてとらえるべきものだ。SOAでつなげることで、スパゲッティ状態のITシステムをかなり改善できるはずだ」と語った。

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