オラクルがWebLogic対応拡大へ、SOAの普及狙うOracle AIAのサポート強化

» 2008年09月18日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 米オラクルが来週、米国サンフランシスコで開催する「Oracle OpenWorld 2008」では、買収した旧BEAシステムズのWebアプリケーションサーバ「Oracle WebLogic Server」へのサポート拡大が中心的なテーマになりそうだ。特にオラクルは、WebLogicをSOAプラットフォーム「Oracle Application Integration Architecture」(Oracle AIA)拡大のキーと考えている。

 Oracle AIAは複数のシステムやアプリケーションを疎結合し、柔軟な構成変更を可能にするフレームワーク。オラクルのミドルウェア製品である「Oracle Fusion Middleware」で構成する。ただ、現在はWebLogicは未対応。Oracle OpenWorldでは、Oracle AIAのWebLogic対応が1つの焦点になる。

米オラクルのアダプティブ・ビジネス・ソリューションズ・グループ プロダクト・マネジメント ディレクターのマーク・クレイグ氏

 Oracle AIAは主にオラクルのアプリケーション製品を事前に結合し、疎結合なビジネスプロセスを実現する「Process Integration Packs」(PIP)と、標準技術や実証済みのアーキテクチャ、Webサービスを用意することで、オラクル以外のアプリケーション製品の疎結合を可能にする「Foundation Pack」(FP)、そして業界別のレファレンスで構成する。

 9月初旬に@ITのインタビューに答えた米オラクルのアダプティブ・ビジネス・ソリューションズ・グループ プロダクト・マネジメント ディレクターのマーク・クレイグ(Mark Craig)氏は「BEAの既存顧客がオラクルの世界に入ってくることに期待している。BEAの既存顧客をFPで支えていきたい。かなりのメリットを享受できるだろう」と話した。

 WebLogicはWebアプリケーションサーバ市場の世界シェアでトップを誇る製品。WebLogicの既存顧客に対してOracle AIAを提案し、オラクルのほかのミドルウェア製品、アプリケーション製品を導入しやすくすることは考えられるシナリオだ。

 日本オラクルによると、Oracle AIAの国内導入は「製造業が圧倒的に多い」という。既存システムの再構築や将来のM&Aを見越して、システム基盤を柔軟にしようと考える企業の採用が多いといい、クレイグ氏は「業種別のSOAソリューションに力を入れていく」とOracle AIAの今後の方向性を説明した。

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