クラウド対応はOracle Database 11gを勢い付けるか「Extreme.Performance」はSSD? インメモリ?

» 2008年09月23日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 「小さな会社が取り組んでいるだけと思っていたが、オラクルの顧客である大企業も取り組み始めた。アーカイブの1つの方法としてクラウドの利用が想像以上に広がっている」。米オクラルのサーバ技術担当 シニア・バイス・プレジデントのアンディ・メンデルソン(Andy Mendelsohn)氏は、同社が発表したクラウド対応サービスの背景を説明した。

 オラクルは開催中のイベント「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」で、アマゾンのクラウド環境とOracle Databaseを連携させるサービスを発表した。「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)上で「Oracle Database 11g」などを稼働させるAmazon Machine Image(AMI)の提供と、データベースのバックアップ先として「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)が利用できる「Oracle Secure Backup Cloud Module」の発表だ。

【参考記事】オラクルがクラウド参入 Amazon EC2、S3対応へ

米オラクルのサーバ技術担当 シニア・バイス・プレジデントのアンディ・メンデルソン氏

 9月22日午後に講演したメンデルソン氏によると、Oracle DatabaseをAmazon EC2上に構築する作業はわずか数分。11gのすべてのエディションに対応するという。Amazon S3と連携するOracle Secure Backup Cloud Moduleは、Oracle Database 10gと11gのすべてのエディションに対応する。

 メンデルソン氏によるとOracle Databaseの顧客の大半は10g、9iなど11g以前のバージョンを使っている。オラクルは昨年発表した11gへの早期移行を促したいところだ。メンデルソン氏はクラウド対応のほか、高パフォーマンスや管理性の高さをアピールして、11gへの移行を呼びかけた。

「Extreme.Performance.」とは

 米オラクル CEOのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏が9月24日に行う基調講演のテーマは「X」。メンデルソン氏はその意味を「Extreme. Performance.」と説明した。直近の決算会見の内容などから、「Extreme. Performance.」を実現するのはOracle Databaseのストレージ関連機能の強化と見られていて、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のサポートやインメモリ・データベース技術、新しい圧縮技術の採用などがささやかれている。

 エリソン氏の講演の直前にヒューレット・パッカードのCEO マーク・ハード氏らが講演することから、ハードウェアとデータベースを連携させた新機能が登場すると予想する声もある。

「X」は「Extreme. Performance.」を表わす。今回のOracle OpenWorldのティザーメッセージとして使われている

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