日本CA、買収拡大戦略から一転、製品群の絞り込みへ直販、間接のほか、各製品群に特化した営業部隊も設置

» 2008年09月30日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本CAは9月30日、2009年度中期経営戦略の説明会を行った。買収を繰り返してラインナップを拡大してきた製品群について、今後は「日本市場に特化したサービスを提供するためにも、“選択と集中”の考え方を強化する」(同社代表取締役社長の根塚眞太郎氏)として、アイデンティティ/アクセス管理、サービス管理、プロジェクト・ポートフォリオ管理、メインフレーム、アプリケーション・パフォーマンス管理、ストレージ管理の6分野の製品販売に注力するという。

 根塚氏は、5年後に向けた同社の経営ビジョンとして「日本市場で最も信頼されるITマネジメントのリーディングカンパニーを目指す」と力説。そのポイントとして、同社が提唱している効率的・効果的なIT運用管理実現のためのフレームワーク「EITM(Enterprise IT Management)」の実践をはじめ、販売注力製品の絞り込み、営業組織の強化を挙げた。

写真 日本CA代表取締役社長の根塚眞太郎氏

 EITMとは、IT基盤の統合・簡略化、ITガバナンス強化、マネジメントの強化、セキュリティの確保という4点に配慮してソリューションを提供するためのフレームワーク。「近年はITベンダや製品が増加したことで、真に役立つ製品を選択し、効率的に運用することがむしろ難しくなっている。弊社ではEITMの考え方にのっとり、経営層には管理しやすく、ユーザー部門には使いやすい、効果的なITインフラをシンプルに提供していく」(根塚氏)という。

 販売注力製品の絞り込みも、そうした考えを反映したもの。具体的な製品名を挙げると、アイデンティティ/アクセス管理が「CA Access Control」「CA SiteMinder WebAccess Manager」「CA Identity Manager」、サービス管理は「Unicenter Service Desk」、プロジェクト・ポートフォリオ管理は「CA Clarity PPM」、アプリケーション・パフォーマンス管理は「CA Wily Introscope」、ストレージ管理は「CA ARCserve Backup」「CA ARCserve Replication/HA」の5分野8製品となる。また、メインフレームについても、2007年の同社全体の売上高のうち22%を占めていたことから、今後も販売戦略上、重要なアイテムとして認識していくという。

 併せて営業体制も改善した。従来の直接販売、間接販売に加え、5分野の製品群それぞれに専門の営業部隊を設置し、顧客ニーズへのきめ細かな対応を図るという。

 根塚氏は「これらの製品群は、顧客企業の声を熟慮して選択したもの。ただ一方で、プロジェクトへの投資などを管理するCA Clarity PPMなど、これから注目されると予測した製品も含めている。より費用対効果の高いサービスを提供するためにも、今後も市場ニーズを見極め、製品構成を随時見直していきたい」と話している。

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