ジュニパー、プロバイダのエッジ部分を集約スイッチなどの統合で管理面や運用コストを向上

» 2008年10月21日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ジュニパーネットワークスは10月21日、通信事業者のエッジ製品を拡充させる「インテリジェントサービスエッジ」(ISE)を発表した。同社 サービスプロバイダ マーケティングマネージャ 佐宗大介氏は「トラフィックは増え続け、有線・無線ともにARPU(Average Revenue Per User:1ユーザー当たりの売上額)が低下しており、サービスプロバイダの収益性を圧迫している。ISEはサービス導入時間を短縮し、運用管理を簡素化することでこれを改善できる」と説明した。

佐宗氏写真 ジュニパーネットワークス サービスプロバイダ マーケティングマネージャ 佐宗大介氏

 ISEでは、同社のサービスルータ「MXシリーズ」向けの拡張モジュラーカード「Flexible PIC Concentrator」(MX-FPC)、目的特化型プロセッシングエンジン「MultiServices DPC」(MS-DPC)を提供。また、エッジ向けルータ「Mシリーズ」向けの「Ethernet PIC」(物理インターフェイスカード)やパケット処理エンジン「FEB」(Forwarding Engine Board)の新型も提供する。

 MX-FPCはMXシリーズのモジュラーカード。これにPICを挿すことで、OC-192やOC-48 PoSといった「非Ethernetメディア」とMXシリーズの接続が可能となる。このPICは、ジュニパーの「Mシリーズ」や「Tシリーズ」などのルータと共通化されているため、既存のPICを流用することも可能だ。佐宗氏は、「これによりアップリンクをFPCで行えるようになることから、従来であればスイッチが必要だった作業を集約できるようになった」と述べた。

 MS-DPSは、MXシリーズ上でアプリケーションを効率的に動かすためのサービスエンジン。ファイアウォールや浸入検知といった各種アプリケーションをエンジン上で動かすことができる。「JUNOSを搭載していることもあり、当社の製品は『転送プレーン』『制御プレーン』『サービスプレーン』がそれぞれ独立して動いている。MS-DPSを利用すれば、制御プレーンや転送プレーンに影響を与えることなく、各種アプリケーションを動かすことができるのも特徴だ」(佐宗氏)と説明した。

 ソフトウェア側では、同社のモジュラーOS「JUNOS」に、エッジサービス機能が拡張された。新たに、「加入者管理」やQoSなどを提供する「アプリケーションコントロール」、アプリケーション層のセキュリティを強化した「エッジセキュリティ」といった機能が強化された。

 佐宗氏は、「ISEによって、サービスプロバイダのエッジ部分の運用が大幅に楽になる。従来複数機器で行っていたものが集約できるからだ。これにより運用コストを大幅に削減できるようになるだろう。また、機器を削減することで電力消費量も減り、環境にもよい」とコメントした。

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