クラウド上でもデータ管理は必須、インフォマティカ新製品社内システム向けコネクタを発表

» 2008年11月19日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 インフォマティカは11月19日、データ連携、データ統合の製品群「Informatica Release 8.6」を販売開始すると発表した。新版の特徴はクラウド・コンピューティングへの対応。同社 代表取締役社長の内田雅彦氏は「Salesforce.comに顧客データを格納しているユーザーはとても多い」とクラウド対応の理由を説明した。

 Informatica Release 8.6はデータ統合エンジン「PowerCenter 8.6」とデータコネクタ製品「PowerExchange 8.6」、データクレンジング製品「Data Quality 8.6」、複数言語が混在するデータ内でアイデンティティ情報のマッチングを行う、新製品の「Identitiy Resolution」で構成する。米インフォマティカの最高マーケティング責任者 クリス・ブアマン(Chris Boorman)氏はクラウド対応のほかに、ビジネスの俊敏性を加速すること、情報のサプライチェーンを管理すること、データの信頼性を確保することがInformatica Release 8.6の特徴と説明した。

米インフォマティカの最高マーケティング責任者 クリス・ブアマン氏

 クラウド対応は「3つのアプローチでクラウドと社内情報システムを統合する」(内田氏)。1つ目は新製品の「PowerExchange for SaaS」を使う方法。新たに提供するSalesforce.comとRightNow向けのコネクタを社内システムに実装し、Salesforce.comとRightNowの上に格納しているデータを管理できるようにする方法だ。

 もう1つは「Information on Demandサービス」。インフォマティカはクラウド上にデータのローディング、同期、レプリケーションなどのアプリケーションを用意していて、顧客はこのアプリケーションを使って別のクラウド上のデータを管理できる。3つ目はインフォマティカが日立ソフトウェアエンジニアリングにOEM提供しているデータ統合ツールを使う方法だ(参考記事)。ブアマン氏は「クラウドでもデータ管理は必須になる」と指摘した。

 Data Quality 8.6は新たにInformatica Release 8.6に加えられた製品で、国内提供は初めて。顧客や取引先、商品、部品など幅広いカテゴリのデータについて、そのマスタデータの品質を向上させる。各国の言語や住所体系に対応するカントリーパックも用意する。現時点ではSAP向けとSiebel向けの2製品を用意している。

 Informatica Release 8.6の出荷は12月1日。最小構成価格(スタンダードエディション)は1100万円。2CPUコアまでに利用を限定した「エントリパック」は750万円から。内田氏は「来年度上期(2009年1月から)はすでに強力な引き合いがある」と販売に自信を見せた。

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