阪急阪神百貨店がOracle BIを導入、データ分析が30秒に手組みアプリケーションを刷新

» 2008年11月26日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 NTTデータと日本オラクルは11月26日、阪急百貨店や阪神百貨店などの小売り事業を行うエイチ・ツー・オー リテイリングの情報提供基盤を刷新したと発表した。導入したのはビジネスインテリジェンスツールの「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition Plus」(Oracle BIEE Plus)と、基盤製品の「Oracle Database Enterprise Edition」「Oracle Enterprise Manager」。11月に稼働開始した。

 エイチ・ツー・オーは阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合によって2007年10月に生まれた持株会社で、百貨店事業を統括する株式会社阪急阪神百貨店を事業会社として持つ。グループの事業会社ではほかにスーパーマーケットを運営する阪食やショッピングセンター、ホテルを運営する大井開発などがある。

 同社はこれまで紙の帳票やPDFを使って社内に情報提供をしてきたが、個別システムを使って情報を出力していたため、情報の有効活用が進んでいなかったという。また、蓄積した情報の加工に時間がかかり、タイムリーな情報提供ができていなかった。

 そのため同社はNTTデータをパートナーに、日本オラクルのOracle BIEE Plusを導入することを決定。日本オラクルのコンサルティングサービス「Oracle Business Intelligence Express Service」も利用し、社内データの整理・統合と有効活用を図った。利用するのは阪急阪神百貨店と持株会社のエイチ・ツー・オーの社員。

 導入した新システムではPOSレジから上がってくる売上情報や、仕入れ、商品、顧客情報などのデータを統合し、経営層や各部署の担当者が情報分析できるようにした。これまで使っていた情報提供システムは専用ハードウェアで利用する手組みのアプリケーション。クロス集計などの情報分析を行う場合、夜間バッチが必要で、迅速に結果を得ることが難しかった。

 新システムは同様の処理を30秒以内に行うことが可能。分析できるデータ量も商品情報や営業情報、顧客情報が加わったことで従来の約5倍に増えた。新システムが出力するのは全社の経営指標として定型化されている情報で、加えてアドホックに必要な分析ができる。

 エイチ・ツー・オーは今後、同システムで扱える社内情報を増やす方針。計数情報に関する分析や顧客情報の分析など利用範囲を拡大する予定で、スーパーマーケット事業などエイチ・ツー・オーのほかの子会社にも広げることを検討している。

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