1兆円突破が見えてきた国内ITコンサル市場J-SOX特需とコスト削減、IT活用が後押し

» 2009年01月08日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 ミック経済研究所は国内ITコンサルティング市場が2015年度まで年平均成長率13.8%で拡大し、2014年度には1兆円規模を突破するとの予測を1月8日に発表した。IT統制やセキュリティ分野のニーズ拡大で市場が急速に広がっているようだ。

 同社の定義によるとITコンサルティングは、ビジネスプロセスのデザイン策定からソリューションの選定・導入支援、システムの運用・保守の改善支援などのITサービスを提供し、IT戦略を支援する役割。国内では専業のコンサルティングファームのほかに、近年はシステム・インテグレータなどのITサービス企業もITコンサル事業を強化している。

 2007年度のITコンサル市場は対前年度比22.7%増の4286億円だった。2008年度は10.1%増の4724億円と、2桁成長を予測する。2015年度まで年平均成長率13.8%で伸びると見ていて、2015年度には1兆2000億円規模に達するとしている。

 ITコンサル市場の伸びを支えるのは日本版SOX法対応などの“特需”に加えて、ERPの導入が中堅企業にも広がったこと。2007年度は大手コンサルファームの大型案件増加も貢献したという。2009年度以降は、IT資産やシステム運用の見直し、業務改善など、ユーザー企業のコスト削減策の支援ニーズが拡大するとミック経済研究所は推測する。さらにITの戦略的な活用、国際会計基準対応、M&Aに伴うシステム統合などがITコンサル市場の規模を押し広げると見ている。

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