「企業の緊急性の高い課題を解決」、SASが新年度方針「SAS Business Analytics Framework」を国内展開

» 2009年02月05日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAS Institute Japanは2月5日、リスク管理やコンプライアンス対応など企業にとって緊急性が高い経営課題の解決を支援するソリューションの提供強化を柱とする2009年度上半期の戦略を発表した。米SASが昨年10月に発表したソリューション提供のフレームワーク「SAS Business Analytics Framework」(BAF)を国内でも展開し、「何をどうすれば売り上げが上がるかという予見力を提供する」(同社 代表取締役社長 吉田仁志氏)。

SAS Institute Japanの代表取締役社長 吉田仁志氏

 SASは同社の分析ツールと業務知識、コンサルティングサービスを組み合わせたソリューション提供に注力していて、2009年も企業経営の方向性を示すようなソリューションの提供を継続して強化する。特に「リスク管理、コスト管理、収益最大化、コンプライアンスなど緊急性の高い経営課題へのソリューション提供」(吉田氏)に力を入れる。吉田氏はそのソリューションの例として、金融ではBasel II対応や信用リスク管理、製造では在庫管理最適化、需要予測、流通では店舗別の収益管理、通信では解約率低減などを挙げた。

 BAFは効率的なソリューション提供を可能にするフレームワーク。企業内のデータを統合する「データ・インテグレーション」とその統合データを分析する「アナリティクス」、分析結果を分かりやすく示す「レポーティング」、経営課題を解決する情報を示す「ビジネス・ソリューション」で構成する。

 SASはたびたび、他社のビジネス・インテリジェンスツールが提供するのは、このうちレポーティングのみと指摘している。対して、SASは、BAFを基盤とすることで分析力や業務知識を加え、「先を読み、ビジネスを推し進めるプロアクティブな意志決定を支援できる」(同社 マーケティング本部 本部長 樋渡純一氏)という。

 ソリューション提供では、担当するコンサルタントの力量がプロジェクトの成否を左右する面がある。SASは2009年度、社内のコンサルタントを2008年度と比較して3割増やす考えで、ソリューションの質を高める。SAS Japanは3年連続で2桁成長、コンサルティングサービスは2008年度に60%成長だったといい、高い成長を維持するために陣容の拡張を急ぐ。

 また、2008年度から強化しているパートナーとの協業も拡大する考え。特に、特定業種についての業務知識を豊富に持つコンサルティングファームやシステムインテグレータとの関係を強化する。

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