SAS、国内でSaaSを本格提供へ 2009年中に開始金融、ヘルスケア、小売りを対象に

» 2009年03月02日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 米SAS Instituteのシニア・バイスプレジデントでチーフ・マーケティング・オフィサーのジム・デイビス(Jim Davis)氏は、同社ソリューションのSaaS形式での提供を2009年中に日本で始めることを明らかにした。どのような形態、ソリューションで提供するかは「それぞれの国の状況を見て、その国のマネジメントに決定してもらいたい」としている。

 デイビス氏はSAS Institute Japanが2月26日に開催した同社イベントの基調講演のために来日。日本の顧客やパートナーに対して昨年10月末に発表した「Business Analytics Framework」(BAF)を紹介した(参考記事:SASが経営分析フレームワーク「Business Analytics」発表)。

米SAS Instituteのシニア・バイスプレジデントでチーフ・マーケティング・オフィサーのジム・デイビス氏

 デイビス氏によるとSASはグローバルでSaaS展開を検討していて、日本も2009年中に始める予定。金融、小売り、ヘルスケアのいずれかのソリューションを対象にする計画だ。デイビス氏は「現在の景気状況を考えると、資産を所有せず、運用管理のための人を雇う必要のないSaaSはグローバルにニーズがある」と話した。

 また、デイビス氏は今回の景気後退で企業のIT投資の減退が予測されることについて、「企業は投資をしないことの長期的なコストを考えるべきだ」と指摘。「戦略的なソリューションについては年単位ではなく、月単位で結果を見て、数カ月で成果を得られることが予測できれば投資すべきだ」と話した。SASが発表したBAFについても、フレークワークの要素ごとに「1つずつ成功を膨らませることができる。企業はビジネスニーズによってロードマップを描ける」とメリットを強調した。

 IT投資が減退する中で厳しい状況に置かれているのは企業のCIOだ。デイビス氏は「もし私が企業のCIOなら、自分がビジネス戦略の意志決定者になっているか、それとも調達や運用などビジネスの一部を担っているに過ぎないかをまずは確かめる」として、ビジネス上の意志決定に関与する立場であるなら「投資の鍵はテクノロジではない。ビジネスの観点から考えるべきだ」と訴えた。

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