オラクルの新コラボツール「Beehive」が今夏登場SaaS型でも提供予定

» 2009年04月23日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは次世代のコラボレーションツール製品「Oracle Beehive」を今夏にも提供開始する見込みだ。サーバ型のほかにオラクルのデータセンターでホスティングするSaaS型サービスも用意。マイクロソフトが始めた「Microsoft Exchange Online」などに対抗する。

 Beehiveは2008年9月に米国サンフランシスコで行われた「Oracle OpenWorld」で初めて発表され、国内投入の時期が注目されてきた(参考記事)。オラクル担当者は日本で提供開始するOracle Beehiveについて「ほとんど完成している」と話した。

 Beehiveは電子メールとカレンダー、チャット、デスクトップ会議、ドキュメント共有、Wikiなどを備えたアプリケーション。オラクルがこれまで提供してきた「Oracle Collaboration Suite」の後継となる。アプリケーションの寄せ集めだったOracle Collaboration Suiteと異なり、Oracle Beehiveは「包括的なコラボレーションソリューションを提供する」(米オラクルの製品開発担当 シニア・バイスプレジデントのハサン・リズヴィ氏)。またエンタープライズ向けのソフトウェアとしてセキュリティ機能や可用性も備えるという。

「Oracle OpenWorld Tokyo」で4月23日に基調講演した米オラクルのハサン・リズヴィ氏

 Beehiveの特徴はサーバ型とSaaS型の2つの提供モデルを当初から用意することだ。サーバ型は企業が運用するサーバにインストールして利用するモデル。SaaS型はオラクルの米国オースティンのデータセンターにエンドユーザーがアクセスして、Beehiveを利用する。エンドユーザーはその利用料を支払う。米国での提供価格はサーバ型が1ユーザー当たり、120ドル。SaaS型は1ユーザー当たり、月額15ドル。日本でも近い価格になると見られる。サーバ型とSaaS型で機能の違いはないようだ。

Webブラウザから利用するBeehiveのZimbra画面
Mozilla Thunderbirdから電子メールとカレンダーが利用できる

 もう1つの特徴はさまざまなクライアントを用意すること。WebブラウザでBeehiveにアクセスする場合、電子メールやカレンダーはWebメールの「Zimbra」で利用し、ドキュメント共有などはWeb上の「Workspace」を使う。Beehiveにはクライアントアプリケーションからもアクセス可能で、マイクロソフトの「Microsoft Office Outlook」と、オープンソースソフトウェアの「Mozilla Thunderbird」が対応する。それぞれ電子メールとカレンダーが利用可能(Thunderbirdはアドオンを入れる)。OutlookはBeehive内のドキュメントにもアクセスできる。iPhoneやWindows Mobileデバイス、BlackBerryにも対応する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ