仮想マシンの互換性構想「XCP」も説明

「エンドツーエンドの仮想化を提供」、シトリックスCEO

2009/09/08

 「現在のITシステムは、オンデマンドではなく、柔軟性に欠け、複雑で多層のレイヤから構成されている。複雑さこそ、エンタープライズITにとって最大の課題だ」――米シトリックス・システムズの社長兼CEO、マーク・テンプルトン氏が9月4日に来日し、企業ITシステムのあり方についてこのように指摘した。同氏は、「仮想化技術」によって複雑化したITシステムを簡素化することで、この課題を解決できると述べた。

 同氏は、自動車では、部品点数を減らすことで全体の信頼性を上げることができたという例を挙げ、ITシステムにおいても、部品の数を減らすことで全体を簡素化し、使い勝手の向上やコスト削減を実現できると述べた。その鍵を握るのが仮想化技術だという。

citrix01.jpg 米シトリックス・システムズ 社長兼CEO マーク・テンプルトン氏

 シトリックスは2007年8月に、オープンソースの仮想化技術「Xen」をベースとした仮想化製品を提供するXenSourceの買収を発表。その後、以前から提供してきたアプリケーション・ストリーミング配信製品「Presentation Server」の名称を「XenApp」に変更して提供するほか、サーバ仮想化製品「XenServer」、デスクトップ仮想化製品「XenDesktop」といった製品ラインアップをそろえてきた。

 また、シトリックスの支援を受けたXenの開発コミュニティであるXen.orgは、米国時間の8月31日に「Xen Cloud Platform(XCP)」という新しい取り組みを発表している。

 テンプルトン氏によるとこれは「Xenをベースにした、オープンソースのプラットフォーム」だ。DMTF(Distributed Management Task Force)が策定した仮想マシンの標準、「Open Virtualization Format(OVF)」をサポートし、ハイパーバイザー間の相互接続性を確保することを目的に掲げている。この取り組みによれば、パブリック/プライベートを問わず、クラウド上で動作している仮想マシンを、そのまま別のクラウド上に持っていき、動作させることが可能になるという。

 もう1つ同氏がシトリックスの戦略の強みとして挙げたのは、「エンドツーエンドの仮想化」を提供していくという方針だ。「データセンターからネットワーク、サーバ、デスクトップ、クライアントに至るまで、エンドツーエンドの仮想化を提供していく」(テンプルトン氏)。

 例えば、「デスクトップの仮想化というと、データセンターに置かれたサーバ上でハイパーバイザを動かし、その上で動作する仮想マシンにアクセスするVDI(Virtual Desktop Infrastructure)のことだけを指すことが多い。しかしVDIの問題は、1つの方法でしか配信できないということだ」(同氏)。そこでシトリックスでは、XenAppによる「アプリケーション配信」、XenDesktopによるデスクトップ配信に加え、XenClientによるクライアントの仮想化という選択肢も提供していくという。

 「クライアント仮想化により、1台のハードウェア上で会社用と個人用、2つの環境を使い分けることができる。セキュリティの向上と集中管理、コスト削減が可能になるほか、ワークスタイルの選択肢を広げることができる」と同氏は述べている。

(@IT 高橋睦美)

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