プラットフォームとしてエコシステム醸成に注力

「商用APIは年内にも公開」、Twitter創業者インタビュー

2009/10/15

 来日中のTwitter共同創業者、アイザック・“ビズ”・ストーン氏に、現在取り組み中のテーマやTwitterというエコシステムに関する考えを聞いた。

――iPhoneをお使いなんですね? Twitterクライアントはお使いですか?

ビズ ええ、最初はTwitterrificからスタートして、今はTweetie2を使っています。これらは、多くの選択肢があるのだという、Twitterエコシステムが存在することの一種の証ですよね。

――クライアント開発者、提供者からお金は取りませんよね。

ビズ ええ、Twitterクライアントが数多く登場することで、Twitterがより楽しいものになりますから、ユーザーにとって、良いことです。それがわれわれが享受するメリットでもあるわけです。

biz.jpg Twitter共同創業者で現在クリエイティブ・ディレクターを務めるビズ・ストーン(Biz Stone)氏。これまでXanga、Blogger、Odeo、Obviousなどのサイト立ち上げに携わった経験がある

――API利用には1時間に何回までという制限がありますが。

ビズ ほとんどのアプリケーションでは、この上限に達しませんが、もしあなたのTwitterクライアントがAPI制限の上限に到達したら、われわれに連絡してもらうことで、通常は上限値を上げるようにしています。アプリによってはエラーで数百万のリクエストが発生してしまうようなことがあります。そういう挙動をコントロールするのが上限を設ける理由です。

――API制限の上限を上げることに対して課金は?

ビズ それはないと思います。もし上限に達するようなことがあれば、それはつまりあなたはその時点ですでに世界規模の企業ということですから(笑)、また別の関係にという話です。Twitterエコシステム上では、Twitterとサードパーティは対等な関係にあります。Twitter上でビジネスを展開していただく、その見返りとしてわれわれはTwitterユーザーにより多くの使い方を提供できるのです。

――企業ユーザーにとって投稿の管理などCMS的なニーズもあるかと思います。

ビズ 商業的に利用する、大企業などでマルチアカウント対応のニーズなどはあると思います。ニーズがあれば、それに対応したツールも出てくるでしょう。

――Twitter自身でそれに取り組むということですか?

ビズ ええ、まだ早期の段階ですが、年末に向けて開発に取り組もうとしているものの1つです。非常に理にかなったサービスです。Twitterは個人でも企業でも、通常の利用に関しては誰に対しても今後も無償サービスであり続けますが、われわれは何らかの付加的なレイヤーを加えて、それをサービスとして企業ユーザーに提供できると考えています。

 そうしたサービスで考えている機能としては、もちろんマルチユーザーアカウントへの対応もありますが、Twitterを、どのくらい有効活用できているかを分析するツールの提供などもあると思います。

 こうした商用サービスを意識した機能を提供するときに重要なことは、それらの機能に対応するAPIが必ず存在するということです。つまり、Twitterプラットフォーム上で企業向けサービスを作っている人であれば誰でも、われわれよりもより魅力的なサービスを実装することも可能なわけです。いずれiPhoneアプリも出てくるでしょうね。

 マルチアカウントをはじめとする企業向け機能を提供する「CoTweet」などはいい例です(CoTweetの機能一覧)。彼らは非常に企業に特化したユーザー・インターフェイスを提供していて、とてもわれわれがすぐに追いつけるようなものではありません。非常に素晴らしいことです。

――家電量販店のBestBuyがTwitterを利用していますが、特別なアカウントなのですか?

ビズ BestBuyのために何か特殊なアカウントを作ったわけではありませんが、これは非常にいい事例だと思います。彼らは店内にTwitterキオスクを作ったり、700人を超える従業員がTwitter上でいつでも商品に関する顧客の質問に答えるようにスタンバイしているなど、熱心なTwitter利用企業です。またテレビのゴールデンタイムに全米向けに特売などのキャンペーン告知を出して、BestBuyのTwitterアカウントをチェックするように呼びかけるといったことをしています。

――そのほかに取り組んでいる機能強化は?

ビズ 右カラムに表示される「流行のトピック」(Trends)のローカライズにも取り組んでいます。現在リストアップされているのは世界中で人々が何をつぶやいているのかですが、東京の人たちが何を話題にしているか、あるいはニューヨークやパリで人々が何を話しているかが分かるようになります。これは、すでにAPIを使えば「東京5マイル以内」といった絞り込みができるのですが。

――つぶやきに含まれるリンクについてはいかがでしょうか?

ビズ かなり多くのつぶやきにリンクが含まれていて、いろいろな可能性があると思います。まだTwitterの検索は非常にプリミティブです。Twitterは、何がたくさんRTされているのか、どのつぶやきがお気に入りボタンが押されたのかなど多くの情報を持っています。こうした情報に基づいて、より強力な検索機能を提供できるでしょう。

 われわれは2008年にTwitter検索の会社を買収しているのですが、買収したとたんに検索に取り組んでいたエンジニアに別のタスクを割り振ったんですね。もっと大きな課題があったからです。でも、今やTwitterは技術的に安定してきたので、新たに検索機能を追加する段階になったと思います。

――最後に1つ。広瀬香美さんが歌う「ビバ☆ヒウィッヒヒー」を聞きましたか?

ビズ ええ、つい先ほど(笑)。英語で「Tweet」は小鳥のさえずりのことですが、小鳥は歌も歌います。ですから、誰かがTwitterの歌を歌っているというのは私にとっては非常にもっともなことに思えましたね(笑)



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(@IT 西村賢)

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