1日60億件のデータを元にレーティングするURLフィルタリングWebセキュリティと帯域制御市場でシェア1位を獲得

» 2009年10月20日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ブルーコートシステムズは10月20日、報道関係者向けの説明会を実施し、同社のセキュアゲートウェイ製品の現状や同社の戦略などについて、同社 マネージングディレクター マット・ベネット(Matt Bennett)氏が説明した。

ベネット氏写真 ブルーコート マネージングディレクター マット・ベネット氏

 ベネット氏はまず、富士キメラ総研が2009年8月に発表した市場シェア調査結果を紹介。同調査によると、2008年の日本国内Webセキュリティアプライアンス市場では、台数ベースで75.6%、金額ベースで72.1%のシェアを獲得。帯域制御装置市場でも、金額ベース45%でシェア1位だったという。「このように、ブルーコートのビジネスはPacketShaperを代表とする『WAN最適化』と、ProxySGシリーズを代表とする『セキュアWebゲートウェイ』の2本柱で構成されている」(ベネット氏)とした。

 このうちProxySGシリーズは、「マルウェア対策」「コンプライアンス対応」「ネットワークの可視化」「情報漏えい防止」「帯域を圧迫するコンテンツ対策」「すべてのユーザーの保護」などの機能を備えた製品。中でも同氏が重要だと強調するのがマルウェア対策機能だ。「マルウェアは、現在企業で一番実害の生じている脅威だと考えている。マルウェアの難しい点は、情報漏えいのリスクがありつつも、ユーザーAにとっては脅威であるが、同じものがユーザーBにとっては必要なアプリケーションにもなり得るという点だ。この点を簡単に判断できないため、セキュリティ対策ソフトとしても対応しにくいといえる」(ベネット氏)と説明した。

 ProxySGは、有害なWebサイトをURLフィルタリングで防ぐ「WebFilter」機能や、カスペルスキーやマカフィー、ソフォスと連携し、ウイルスやスパイウェアなどからの侵入を防ぐ「ProxyAV」機能、シマンテックやRSA製品と連携してデータ漏えいを防ぐ機能、帯域管理やプロトコル最適化機能などを提供する。同氏は、ProxySGの効果について「まず、従業員にモニタリングしていることを知らしめることで、抑止力を働かせることが大事。次に、回線スピードを落とさない処理能力の早さも現在では非常に重視されている。高速な処理速度を実現するためには、やはりアプライアンス製品が優位となる」とした。

 機能の中でも特徴的なのは「WebFilter」だ。WebFilterは、同社の6200万人のユーザーの利用履歴を保存したのもので、その数は1日当たり60億に上るという。この履歴を元に、同社でレーティングを行い、そのレーティングに基づいて脅威の判断も行っているという。また、HTTPの中身も監視しているため、例えば利用サイトのフレーム内に危険なフレームが含まれていた場合には、そのフレーム内だけを遮断することも可能だとした。

 ただし、ほとんどの大企業ではこのようなWebセキュリティ製品は導入済みだ。このあたりの製品戦略について、ベネット氏は「確かに大企業は導入済みだ。例えば、Fortune 100の98%は弊社製品を利用している。ただし、このようにかなりのアプリケーションがWeb化されている昨今では、大企業が自前で作ったURLフィルタリングソフトでは対応し切れない。また、Webセキュリティ製品がトラフィックのボトルネックになっているケースもある。また、今後クラウドコンピューティングが普及すれば、さらにWebセキュリティへの負荷は高まるだろう。一方で、ユーザーからのWebサイトへのパフォーマンス要求はますます高まるはずだ。そんな中、複数のWebセキュリティ製品を1つに束ねたり、自社のWebセキュリティをさらに強化するために当社製品を選ぶニーズはまだまだ存在する。新規顧客開拓と並び、このようなニーズの掘り起こしを今後も強化していきたい」とコメントした。

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