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財務諸表のボトムラインが変わる

「包括利益」表示の公開草案を公開へ、ASBJ

2009/12/21

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 日本の会計基準を設定している企業会計基準委員会(ASBJ)は12月21日、「包括利益の表示に関する会計基準」の公開草案を、第192回の企業会計基準委員会で議決した。適用は当初の予定どおり、2011年3月期の年度財務諸表から。IFRSの強制適用を待たずに、日本の財務諸表のボトムラインが大きく変わることになる。

 公開草案は12月25日にも公開する見通し。2月1日までコメントを募集し、3月末には最終決定する予定だ。公開草案の内容は大筋は10月29日に公表した暫定合意と同じ(参考記事:「包括利益」が2011年3月期に導入へ、ASBJが暫定合意)。個別財務諸表と連結財務諸表(いずれも四半期財務諸表を含む)が対象となっている。

 適用対象は「平成22年(2010年)4月1日以後開始する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用する」(事業年度の期首から適用可能)としていて、適用初年度にはその直前の年度の包括利益、その他包括利益の内訳項目を注記するよう求める。

 包括利益の計算書は暫定合意と同様に、当期純利益を計算する損益計算書と包括利益計算書の「2計算書方式」、当期純利益の計算と包括利益の計算を1つの計算書で表示する「1計算書方式」(損益及び包括利益計算書)の両方を認める。

 包括利益とは当期純利益(連結財務諸表の場合は少数株主損益調整前当期純利益)に「その他の包括利益」を加えた表示で、その他の包括利益には、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定などを区分して表示するとしている。従来の当期純利益と比べて企業の利益操作が困難とされている。IFRSや米国会計基準は包括利益を採用している。

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(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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