米マカフィーのデウォルト氏がRSA Conferenceで基調講演

クラウドを通じて「セキュリティ業界の知恵」を共有

2010/03/04

 「セキュリティ業界の知恵を共有し、クラウドの中にインテリジェントなリポジトリを構築していこう」――RSA Conference 2010の基調講演に登壇した米マカフィーのプレジデント兼CEO、デイヴィッド・デウォルト氏は、クラウドを通じて脅威などさまざまな情報を共有することによって、効果的な対策を実現できると述べた。

rsa_mcafee01.jpg 米マカフィー プレジデント兼CEO デイヴィッド・デウォルト氏

 RSA Conference 2010ではクラウドコンピューティング環境のセキュリティが最も大きなトピックとなっている。デウォルト氏はこのクラウドを活用し、さまざまなセキュリティ機器の間で情報を共有し、相互に関連付けることで、迅速かつ効率的に新しい脅威に対処するというアプローチを示した。

 同氏がこうしたアプローチを提示する背景には、2009年と2010年に発生した2つの大規模な攻撃がある。

 1つは、2009年7月に、韓国から米国の政府機関に向けて行われたDoS攻撃だ。大規模なボットネットによるDoS攻撃によって、米連邦取引委員会(FTC)など一部のサイトがつながりにくくなった(後に、韓国内のサーバも攻撃の太陽になった)。この手のDoS攻撃に対して、「クラウド上の機器が情報を共有し、特定のIPアドレスからの接続をストップするよう指令することによって、効果的に対処できる。クラウドの知恵を活用すればよい」(デウォルト氏)という。

 もう1つは、2010年1月に話題となった「Aurora」攻撃だ。中国国内から米グーグルなどを標的に行われたこの攻撃では、まずInternet Explorerの脆弱性を悪用するコードを、ソーシャルエンジニアリングを用いて実行させ、標的となる企業の従業員のPC内にマルウェアを侵入させる。マルウェアは侵入に成功すると、SSL風のプロトコルを通じて、制御を行うコマンド&コントロールサーバに接続し、企業内の機密情報や知的財産を盗み出す。一連の攻撃では、米国の企業十数社がターゲットになり、企業にとっては最も重要な財産であるソースコードが盗まれたことが報告されている。

 デウォルト氏は、いまもなお、こうした手口を組み合わせた新たなタイプの攻撃が登場していると指摘。対策として、リスク管理とクラウドの活用を挙げた。

 マカフィーでは、クラウドを通じて知恵を共有する「Global Threat Intelligence」を整備している。ファイアウォールやゲートウェイ製品からリアルタイムに情報を収集し、互いに関連付け、そこから得られたリスクに関する情報を、多層的防御を構成するセキュリティ製品すべてで共有する仕組みだ。

 デウォルト氏はさらに、クラウドを通じたインテリジェンス共有の枠組みを、同社製品だけでなく広く業界全体で活用していく方針だと述べた。こうして「業界のエコシステムを作り出すことにより、より短い時間で脅威に対応できる」(同氏)。

(@IT 高橋睦美)

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