世界に誇れるクラウド時代のUI〜ウイングアーク社長Dr.Sum EAの新インターフェイス製品発表

» 2010年03月24日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ウイングアークは3月24日、ビジネスインテリジェンス製品「Dr.Sum EA」の新しいインターフェイス製品として「Dr.Sum EA MotionBoard」(以下、MotionBoard)を、3月31日から出荷開始すると発表した。価格は1サーバライセンス400万円から。

内野氏写真 ウイングアーク 代表取締役社長 内野弘幸氏

 Dr.Sum EAは、企業内に点在しているデータを収集し、独自のデータベースエンジンで高速に集計してレポーティングできるツール。経営者には俯瞰的な見方のできるコックピット機能を、パワーユーザー向けにはExcelベースの自由分析機能を提供するなど、ユーザーごとに異なったユーザーインターフェイス(UI)を提供しているのが特徴だ。

 導入社数2680社、サーバ台数4780台で、富士キメラ総研の調査によると2009年度BIツール市場においてシェア39.5%で1位だという。ウイングアーク 代表取締役社長 内野弘幸氏は、「まだ確定していないが、当社の2009年度は減収減益の見込み。2010年度は、中国マーケットとクラウドに注力し、投資していく。多くの企業では情報が急増しているが、それをうまく活用できていない。その理由の1つに使いづらいUIがあると考えている。その点を改善するために、今回の画期的なUIを開発した。クラウド時代のUIにふさわしい、世界に誇れるUIになった」と、開発背景などを説明した。

 MotionBoardはDr.Sum EA用の新しいUI製品で、Flashで作られたホワイトボードのような大きな仮想ボード上に、自分の思考に合わせたダッシュボードを構築できるというものだ。さまざまなデータを組み合わせて、数値予測や傾向分析、アラートなどの各種分析機能を利用できるほか、ボード上にコメントを書いたり、ファイル共有なども行える。

ダッシュボードイメージ MotionBoardで作成できるダッシュボードのイメージ。各自がダッシュボード上の好きなところに好きなデータを配置し、比較しながら分析が行える。分析結果はPDF化して配布することも可能だ。
ダッシュボードイメージ ダッシュボードの一部を拡大して分析しているところ。右下にダッシュボードの俯瞰図がしめされており、現在の位置が分かるようになっている

 MotionBoardの主な特徴は、「情報可視化」「自由分析」「プッシュ機能」「データ共有」の4種類。情報可視化では、ユーザーごとに設けられた大きな仮想ダッシュボード上に見たい情報を配置。それらを拡大・縮小したり、画面移動したりしながら、見たい情報にアクセスできる。自由分析では、ダッシュボード上に置いたデータに対して、データ予測や傾向分析、差分分析などが可能だ。プッシュ機能では問題のあるチャートをアラート送信したり、定期的にレポートPDFを配信することもできる。データ共有では、ファイルの共有だけでなく、コメントやリンク、分析結果なども共有可能。

 フォー・クルー 代表取締役社長 田中潤氏は、「各ユーザーが、自分の好きなようにデータ配置し、好きなように分析できる点が大きい。仕事の仕方は個人によって異なるので、好きなデータ配置の仕方も各人で異なるはず。従来は、定型や半定型の分析を使っているユーザーがほとんどだったが、このように直観的なUIで各人の好きなように分析できるようになると、非定型分析をするユーザーが増えてくるだろう」とコメントし、今後非定型ユーザーが増えると予測した。

 また、ウイングアークは同日、Dr.Sum EAの新しいエンジンラインナップに、小規模向けの「Dr.Sum EA One」と中大規模向けの「Dr.Sum EA Premium Plus」を発表した。Dr.Sum EA Oneは、テーブル数が最大1000万件まで、同時ログイン数3までの小規模向けライセンスで価格は100万円。Dr.Sum EA Premium Plusは、テーブル数が1億〜5億件までの中大規模バージョン。価格は600万円。ともに64bit版となっている。

 ウイングアーク 営業統轄本部マーケティング部 部長 兼 Dr.Sum戦略グループマネージャー 小島薫氏は、「64bitが普及したこともあり、まだ32bitだった『Dr.Sum Standard』と『Dr.Sum EA Advanced』を64bit化して、位置付けを変えた。小規模向けは特に要望が多く寄せられていたほか、データ急増により、データ件数の多いモデルも需要が増えてきている」とコメントした。

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