S3と類似のAPIでデータの転送もコマンド一発

Amazon S3対抗の「Google Storage」が静かにローンチ

2010/05/22

 グーグルは5月20日、開催中のGoogle I/Oでクラウド型ストレージサービス「Google Storage」(GS)のベータテスト開始をアナウンスした。グーグルはこれまでAppEngineを提供してきたが、Amazon S3のようなストレージサービスはなかった。

 現在GSは米国在住の一部の開発者に限定したサービスで、保存したデータは米国内の複数のデータセンター間で冗長化される。価格は1GB当たり1カ月17セント。データ転送にもコストがかかり、アップロードは1GB当たり10セント、ダウンロードは15〜30セント。限定サービス期間中は容量に制限があるが、正式サービスとなってからは利用容量の上限はないという。グループ単位のアクセスコントロールやアップロードのレジューム機能などにも対応する。

gs01.jpg RESTful APIのほか、Webブラウザから利用できるファイル管理画面や、コマンドラインツール、Pythonスクリプト用ライブラリから使える
rest.jpg RESTによるデータアップロードの例

 1GB17セントという価格は、Amazon S3やWindows Azure Storageの15セントよりやや高い。またS3で最近導入された冗長度を低くする代わりに安価に利用できる「Amazon Reduced Redundancy Storage」(99.99%の耐久性。S3は99.999999999%)は10セントとさらに安い。コストや使い勝手、冗長度などで今後は選択肢が増えることになりそうだ。例えばAmazon S3はオブジェクトのバージョニングなど、機能的にも先行している。

サービス 価格(1GB・1カ月)
Google Storage(限定ベータ) 17セント
Amazon S3 15セント
Amazon Reduced Redundancy Storage 10セント
Windows Azure Storage 15セント

クラウド型ストレージサービスの価格

 Google I/Oのセッションで行われた説明によれば、GSは後発であるためS3に似せて設計されているという。S3と同様のRESTful APIを提供するほか、グローバルな名前空間でユニークな名前を持つ「バケット」の中にオブジェクトを入れるという構成も同じ。これまでのライブラリやツールが、なるべくそのまま使えるよう配慮したという。

gs02.jpg オープンソースで公開するツール「gsutil」は、Google StorageやAmazon S3をUnixコマンドから利用するかのように使えるコマンドラインツール。サブコマンドに「ls」「cp」などが使え、Google Storage上のオブジェクトをAmazon S3にコピーするといったこともできる
gs03.jpg Pythonのライブラリを使ってスクリプトからも利用できる。これはGoogle Storage上のファイルを読んでテキストファイルをHTML形式で出力するWebアプリの例

 オブジェクトの読み書きは一貫性が保証されていて、書き込み成功の直後に読み出しを行っても、書き込まれたデータが戻ってくるよう「強い一貫性」を保つよう設計したという。クラウド型サービスでは、「弱い一貫性」(weak consistencyもしくはeventually persistent)と呼ばれるアプローチのほうが標準的で、Amazon S3やAmazon SimpleDBも読み出しの一貫性を保つのはアプリケーションの仕事。Amazon SimpleDBではむしろ強い一貫性を保つサービスのほうがオプションとして2010年に入ってから追加されている

(@IT 西村賢)

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