ネティーザ、従来比2〜3倍のパフォーマンスを実現する新ソフト大容量モデル「Netezza Cruiser」も発表

» 2010年06月30日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ネティーザは6月30日、報道関係者向けの説明会を実施。今後登場予定の同社新製品などについて、米ネティーザ CEO ジム・バーム(Jim Baum)氏が説明した。

バーム氏写真 米ネティーザ CEO ジム・バーム氏

 バーム氏はまず同社の近況を説明。2009年の年間売上は前年比2%増の1億9060万ドル。顧客数はグローバルで350社強、日本国内で50社強に上るという。同氏が強調したのが2009年9月に発表した新しいDWHアプライアンス「Netezza TwinFin」の売れ行きだ。販売開始後、約8カ月で450セット以上売り上げ、稼働しているTwinFinの分析可能容量が50ペタバイトを超えると紹介した。

 また、同社は6月21日にユーザーカンファレンス「Enzee Universe 2010」を開催。600名以上のユーザーなどが参加し、それぞれの事例などを紹介し合っていたという。「講演では、非常に面白いユーザー事例などが紹介されていた。例えば、メジャーリーグを運営するMLBの場合、選手の活躍ぶりなどのデータをDWHに入力し、“選手の来年の活躍期待値”を数値化。その選手の年俸契約の参考などにしているという。このように、過去のデータを分析するBIから、将来を予測するBIへと、利用形態が広がりつつある」(バーム氏)と紹介した。

 製品ラインでは、2月に発表したエントリレベルの「Netezza Skimmer」に加え、大容量のデータ分析を可能にする新モデルの「Netezza Cruiser」を発表。今秋に出荷を開始するとした。Skimmerは、エントリクラスのDWHアプライアンスで、データ容量も最大10テラバイトに抑えている。一方のCruiserは大容量モデルで、最大10ペタバイトまで対応可能。テラバイト当たりのコストは業界最安値を自負する。

 そのほか、複数のDWHシステムを1つのシステムであるかのように仮想的に一元管理できる「Data Virtualizer」を今後提供する予定。1つのシステムのように運用するので、分散したデータクエリを、ほかのアプライアンスで処理することも可能だという。

 また、新しいソフトウェアとして「Netezza Software Release 6.0」を今秋にリリース。Release 6.0は、基本的に新アプライアンス「Netezza TwinFin」向けのものだが、一部機能は旧製品でも利用可能だという。具体的には、データの圧縮アルゴリズムを改善し圧縮率を向上させたほか、従来の数字のみの圧縮から文字圧縮にも対応した。これにより、従来比2〜3倍のパフォーマンスと容量を実現したほか、高度分析が可能な「iClass」機能も実装される予定だ。

 バーム氏は、「Release 6.0とiClassのリリースによって、大容量データの本格的な分析・予測が可能になる。従来は、“何が起こっていたのか?”という過去の分析が主流だった。これからは、“今後何が起こるのか?”という未来予測などが可能となる。さらには、“何が1番良いのか”という最適化分析も行えるようになる点は大きい」と説明した。

 また、パートナー戦略では、NECと共同開発していたDWHアプライアンス「InfoFrame DWH アプライアンス」を発表。TwinFinでは、ハードウェアにIBM製品を採用しているが、InfoFrame DWH アプライアンスでは、ネティーザのソフトウェアとデータ加速装置部分をネティーザが提供し、そのほかのサーバとストレージはNEC製品となる。また、NECが販売とサポートを担当する。「NECは日本国内だけでなく、ワールドワイドで影響力のあるベンダ。このNECと1年弱の共同開発で製品をリリースできたことはうれしいことだ。何より、NECが販売・サポートを担う点は大きい。すでに数社の導入実績もあり、今後大きく期待したい」とコメントした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ