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シトリックス、クライアント用ハイパーバイザを9月30日に無償提供開始

2010/09/29

 シトリックス・システムズ・ジャパンは9月27日、クライアントハイパーバイザ、「XenClient 1.0」を発表した。シトリックスは9月30日より、同社WebでXenClientを無償提供する。XenClientはまた、シトリックスのデスクトップ仮想化ソリューション、「Citrix XenDesktop 4」のFeature Pack 2(FP2)に含まれる。同社はFP2で、「XenVault」という新機能をあわせて提供する。

 XenClientはユーザーPC用の仮想化ソフトウェアだ。マイクロソフトの「Windows Virtual PC」やヴイエムウェアの「VMware Workstaion」のようにOSの上でアプリケーションとして動作するものでなく、PCハードウェア上で直接動作するタイプの(ベアメタル型)ハイパーバイザ。アプリケーション型よりもパフォーマンスが高く、セキュリティも高いのが特徴。XenClientでは会社支給のPCを使うモバイルワーカーに焦点を当て、同社の既存製品との統合を進めていく。XenClientに関するシトリックスの取り組みについては、リリース候補版発表時の記事をお読みいただきたい。

citrix01.jpg XenClientにより、会社所有のPC上で個人環境と業務環境を分けて利用できる

 多岐にわたるPC機種をサポートするのは容易な作業ではない。XenClient 1.0では、対応ハードウェアがかなり制限されている。CPUはIntel Core 2 Duo/Quad、Core i5/i7搭載が必須。グラフィックチップ対応は、インテルのGMA 4500、Intel HD Graphicsに限定される。無線LANはインテルのCentrinoとブロードコムのチップのみをサポートする。

[追記 2010/10/01]

予告どおり、米シトリックスは米国時間9月30日、XenClient 1.0を提供開始した。10月1日時点で同社Webに示されているハードウェア要件は次のように変更されており、具体的なコンポーネント名は削除されている。

CPU: Hardware specific

Graphics: Hardware specific

Memory: 4GB RAM recommended

Disk: 160GB recommended

Wireless LAN: Hardware specific

しかし、同時点でハードウェア互換リストに表示されているPCはIntel Core 2 Duo/Quad、Core i5/i7搭載機に限定され、グラフィックスはGMA 4500あるいはインテルHDグラフィックス、無線LANもインテルあるいはブロードコムのチップ搭載製品に限定されている点は変わらない。

 XenClient上で動かせるOSは、Windows 7 32bit/64bit、Windows Vista 32bit SP2、Windows XP 32bit SP3となっている。すなわちリリース1.0では、Windowsファミリ専用の仮想化環境にとどまる。

 XenClientでは、OSをローカルにインストール(つまり仮想マシンを作成)して使うことができるが、シトリックスが推進しようとしているのは「Synchronizer for XenClient」との併用だ。これはXenServer上で動作する仮想アプライアンス。各ユーザーのデスクトップ環境(仮想マシン)を管理する機能を備えている。ユーザーは、例えばインストールディスクを使って個人用途の仮想マシンを作成する一方で、業務用途の仮想マシンをSynchronizerからダウンロードして導入できる。このように個人用の仮想マシンと業務用の仮想マシンを分ければ、個人利用によって個人用環境がウイルスに感染したとしても、業務環境に影響が直接及ぶことはない。シトリックスは、PC上の複数の仮想マシンを共通に保護する機能を備えた、仮想マシンとして動作するウイルス対策ソフトウェアの開発で、トレンドマイクロなどの企業と協力している。

citrix02.jpg PC上の仮想マシンから使いたい環境を選択できるメニュー。左上のプルダウンメニューでは、新規仮想マシンの導入方法で、ローカルインストールか、Synchronizerサーバからダウンロードするかの選択肢が表示されている

 Synchronizerにはもう1つの機能がある。PC上の仮想マシンのバックアップだ。業務用仮想マシンのデータを定期的に(バックグラウンドで)バックアップしておけば、OSが動かなくなったり、ファイルを誤削除したりした場合には、ユーザー自身がこのバックアップデータを使って、任意のPCに自分の仮想マシンをダウンロードして使える。

 9月末に提供開始のXenDesktop 4 FP2のもう1つの機能、「XenVault」は単純に表現するとファイル暗号化ユーティリティだ。インストールすると特定のディスク領域を暗号化することができる。そして、XenDesktopやXenAppと併用する場合は、これらの利用時のデータが必ず暗号化領域に書き込まれるように管理者が設定できる。また、ユーザーからPC紛失の申告があったとき、あるいは一定時間が過ぎてもサーバへの正常な接続がない場合に、暗号化領域内のデータを消去するといった対策もとれる。個人所有のPCを職場に持ち込むケースに適しているという。

 XenClientは無償。Synchronizerも小規模利用は無償だが、11デバイス以上でSynchronizerの機能を使いたい場合は、デバイス数に等しいXenDesktop EnterpriseあるいはPlatinumのライセンスを購入する必要がある。

(@IT 三木泉)

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