パフォーマンス管理を中心とした新製品

ヴイエムウェア、管理製品の統合に向けた第1弾を発表

2011/03/09

 ヴイエムウェアは3月9日、管理製品の長期的な再編の端緒となる新製品「VMware vCenter Operations」を3月中に出荷開始すると発表した。

 vCenter OperationsはVMware vSphere環境の運用管理ツール。パフォーマンス監視用のダッシュボードと、パフォーマンス問題の分析機能を備える。IT部門が、社内クラウドのサービスレベルを維持するための道具として機能する。

 この製品は、VMware vCenter Serverが蓄積するパフォーマンス関連の情報を取得し、これを整理して、一目で分かる形でリアルタイムに表現する。時系列グラフで時間的な推移を確認することもできる。

vcenter01.jpg データセンター、クラスタ、ホスト、仮想マシンレベルで、負荷や健康状態を色と数値で表示する
vcenter02.jpg 各ホストの余裕の有無を「ヒートマップ」として表示。仮想マシンをどこに移動するかを人が判断できる
vcenter03.jpg 時系列グラフとイベント情報の関連付けで、問題の原因を特定しやすくしている

 この製品では、仮想マシンレベルまでの、パフォーマンスに関するトラブルシューティング機能を備えている。サーバ仮想化環境の健康状態について、自動的にベースライン分析を行い、各項目の実環境における正常値を設定、この値との乖(かい)離によって、異常状態を識別し、ダッシュボード上で赤く表示するなどを行う。パフォーマンス上の問題については、収集した情報の相関分析により根本原因を識別する機能を備えている。これによって運用担当者は、重複する無駄なアラートにまどわされることなく、迅速にトラブルシューティングが実行できると、ヴイエムウェアでは強調している。また、時系列的な情報の分析に基づく事前のアラート機能により、エンドユーザーに影響が及ぶ前に問題を解決できるとしている。

 アラート表示だけならvCenter Serverだけでも可能だが、それでも運用担当者は、項目ごとに手動でアラートの設定を行わなければならない。これに対し、vCenter Operationsでは仮想アプライアンスを起動して、情報取得元のvCenter Serverを指定すれば、あとはほとんど自動的に利用できるようになる。

 vCenter Operationsには3つのエディションが用意される。「VMware vCenter Operations Standard」は、上述のパフォーマンス監視・トラブルシューティング支援機能を提供する。「VMware vCenter Operations Advanced」は、Standardに「VMware vCenter CapacityIQ」をバンドルしたものだ。この2エディションは日本向けにも3月に出荷開始する。

 最上位のエディションである「VMware vCenter Operations Enterprise」は、Standardと同じ機能を備えるが、1インスタンスで複数のvCenter Serverからの情報を取得できる。また、このエディションのみ、vCenter Serverだけでなくサードパーティの管理ツールから情報を取得し、こうした情報を対象に含めた根本原因分析が行える。対応するサードパーティ製品としては、Microsoft System Center Operations Manager、Tivoli、HP OpenView、EMC Smarts、Gomezが挙げられている。GomezはWebアプリケーション監視サービスだ。説明資料に名前が示されているだけなので、詳細はまったく不明だが、こうした監視サービスを活用する形でアプリケーションレベルのパフォーマンス情報を取得し、分析に含めることが考えられる。Operations Enterpriseには、vCenter CapacityIQと「VMware vCenter Configuration Manager」がバンドルされる。Operations Enterpriseのみ、出荷は2011年中を予定する。

 vCenter Operations Standardの市場予想価格は1仮想マシン当たり6250円からとなっている。

 パフォーマンス管理といえば、ヴイエムウェアはアプリケーションレベルまでをカバーする「VMware vCenter AppSpeed」という製品を持っている(こちらは独自に情報を収集する仕組みを備えている)。vCenter OperationsとvCenter AppSpeedの関係が今後どうなるのか、注目される。

 ヴイエムウェアは過去2、3年間の買収を通じ、かなり多くの管理製品を提供するに至っている。今後はこれらの製品を用途別に統合していくことになるようだ。今回の発表では、パフォーマンス管理、キャパシティ管理、構成管理の製品を同梱するにとどまっており、統合というレベルには達していない。しかし、今後はユーザー・インターフェイスの統一やメニューの統合が進められていくようだ。この動きのなかで、vCenter Operationsはベース・プラットフォーム的な役割を担っていく可能性がある。

(@IT 三木泉)

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