ガラケー、iPhone、Android上での情報送信と安否検索に対応

被災時緊急連絡用アプリを無償提供、日本デジタルオフィス

2011/03/28

 日本デジタルオフィスは3月18日、日本マイクロソフトと協力して、携帯電話およびスマートフォン向けの被災時緊急連絡用アプリ「J!ResQ」(ジェイ レスキュー)を開発し、無償提供を開始した。

 携帯電話用のWebサイトAndroid版アプリは3月18日から、iPhone版アプリは3月24日から使えるようになっている。Windows Phone 7版も、今後提供する予定だ。

 J!ResQを使うことによって、被災者は自身の位置情報と音声を、あらかじめ登録した最大5つのメールアドレスに同時に自動送信できる。あらかじめ送信先のメールアドレスを登録しておくことで、アプリの起動からメール送信までを15秒以内に完了することが可能。数回の操作のみで完了するため、被災時に身動きが取りにくい状況でも利用しやすいという。



 J!ResQで送信した位置情報と音声(10秒間)のデータは、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Windows Azure」に自動的に蓄積する。このため、J!ResQのメール送信先に入っていない人でも、安否検索用のWebサイト上で発信者のメールアドレスを検索することで、被災者の消息を確認できる。安否検索用のWebサイトもスマートフォンと携帯電話に対応している。



 アプリは、メールに発信者の位置情報(緯度経度)を添付するので、メール受信者は発信者の位置を、地図アプリ「Bing Maps」「Googleマップ」上でも視覚的に把握できる。

 日本デジタルオフィスは、代表取締役が神戸での阪神・淡路大震災被災を契機に、震災から2年後の1997年1月17日に創業した会社だ。企業や個人における情報資産の有効活用を目指して、これまでさまざまなソフトウェアを開発・提供してきた。

 今回の東北関東大震災を受けて、阪神・淡路大震災での被災経験と、日本デジタルオフィスのスマートフォン向けのソフトウェア開発力を生かして、被災者の役に立てるようにJ!ResQの開発と提供を決定。日本マイクロソフトやオープンソースの開発者コミュニティ「Windows Maniax」の呼びかけで参画したボランティアの協力の基、開発開始から5日間でJ!ResQを完成させたという。

 両社では、日本発の防災アプリとして、J!ResQを世界各国で利用できるように、多言語対応も予定している。

 なお使っているスマートフォン/携帯電話によって利用方法が異なるので、日本デジタルオフィスは、下記リンクやYouTube上の動画を参照のうえ、メールの送信先などを設定することを推奨している。

(@IT 平田修)

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