フォールバックに起因する障害に備えた情報収集を

いよいよ「World IPv6 Day」がやってくる、直前まとめ情報

2011/06/07

 6月8日午前9時から、IPv6に移行した際の問題点を洗い出し、解決に取り組むためのイベント「World IPv6 Day」が行われる。主要なWebサイトが24時間、一斉にIPv6に対応することで、何が起こるのか、何がうまくいって何がうまくいかないのかを検証する、壮大なテストイベントだ。

 World IPv6 Dayは、Internet Society(ISOC)が呼びかけて立ち上がった取り組みだ。当初参加を表明したのは、米Google、米Facebook、米Yahoo、米Akamai Technologies、米Limelight Networksといった企業。その後、IPv4アドレス在庫の枯渇や、NTT東日本/西日本が提供する「フレッツ光ネクスト」といった大きな動きがあったほか、コミュニティの呼びかけもあって、多くの企業が参加を表明している。

 例えば日本国内では、通信事業者やコンテンツプロバイダー、ネットワーク機器のベンダに加え、総務省や、ユニークなところでは全日本剣道連盟などが参加を表明。全世界で250以上の企業や団体が参加する予定だ。

 直前ではあるが、いまからでも参加してみたいという場合は、手元のWebサーバをIPv6に対応させ、DNSレコードにもIPv6のAAAAを追加し、デュアルスタック環境を構築すればよい(関連記事)。

「フォールバック」で遅くなる

 すでにWindows VistaやWindows 7、Mac OS XといったOS側はIPv6に対応しているし、回線サービスでもIPv6対応のメニューが登場している。なのになぜ、こうした実験が必要なのかというと、やはり「影響」が生じる恐れがあるからだ。

 具体的には、特定の環境でWebサイトへの接続が遅くなったり、接続できなくなったりする可能性がある。米グーグルではその可能性を0.05%未満、ヤフージャパンでは0.23%と見込んでいる。

 このような障害が発生する理由は「IPv6/IPv4フォールバック」だ。

 そもそも端末がIPv6に対応していなかったり、IPv6で接続できる環境にない場合は、デュアルスタックのサーバにアクセスしても、これまでどおり普通にIPv4で接続するだけで、何ら影響はない。大半の企業はここに分類されるだろう。

 逆に、グローバルにアクセスできるIPv6アドレスを持っている端末ならば、IPv6で問題なくアクセスできるはずだ(ただし、トンネリングなどを使っている場合は、そうとは限らない)。

 問題は、IPv6でのグローバルリーチャビリティがないのに、IPv6アドレスが割り振られている環境だ。具体的には「フレッツ光」の環境がそれに当たる。フレッツ光が割り当てるIPv6アドレスは、あくまでフレッツ網内での利用を想定したもので、そのアドレスを使ってインターネットに接続することはできない。

 この環境でIPv6対応サイトにアクセスすると、端末は、まずIPv6でのアクセスを優先的に試み、それがうまくいかないとIPv4にフォールバックして接続を試みる。このため、Webページの表示に時間がかかったり、通信が行えなくなるといった問題が生じる恐れがある。

ベンダやキャリアによる情報提供を参考に

 これを踏まえていくつかのベンダや通信事業者では、World IPv6 Dayに備え、トラブルシューティングのための情報を公開した。

 日本マイクロソフトは、フレッツ光を利用し、Windows XPもしくはInternet Explorer 7/8を利用している場合、一部のWebサイトにアクセスできない障害が発生する可能性があると公表。IE 9へのアップグレードやIPv6を使用しない設定への変更、ネットワークポリシーテーブルの変更といった対応策を紹介している。

 ヤマハは、同社のルータでRAプロキシ機能をオンにしていた場合、サイトにアクセスできなくなるなどの事態が発生する可能性があると説明。RAプロキシ機能をオフにするための設定方法を紹介している。

 またスマートフォンの一部機種でも同様の問題が発生する可能性がある。NTTドコモでは、GALAXY S、GALAXY Tab、Xperia arc、Xperia、AQUOS PHONE、REGZA Phone、Optimus chatで、KDDIではREGZA Phone IS04、SIRIUS α IS06、htc EVO WiMAX ISW11HTで、ソフトバンクモバイルではX06HT、X06HT II、001HT、003Z、006SHで、障害が起こる可能性があるという。いずれも、「Wi-Fiの設定を有効にし」「NTT東西のフレッツ回線を利用し」てインターネットに接続した場合、SSL通信(httpsで始まるサイトにアクセスした場合)の閲覧に影響が生じる可能性があるという。

 もし障害に当たってしまった場合には、一連のリンクを参考にし、対処するといいだろう。インターネットサービスプロバイダー側でも、関連問い合わせのための対応ガイドラインを用意している。

 またWebサイト運営者としては、たとえ自社WebサイトがIPv6に対応していなくても、GoogleやYahoo!などのコンテンツを埋め込んで利用している場合、一部の表示が遅くなるといった事態が生じる恐れもある。このようなケースにも注意が必要だ。

(@IT 高橋睦美)

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