企業価値向上を支援する財務戦略メディア

「おおむね目標を達成」

終わりを迎える「東京合意」、達成状況を発表

2011/06/10

PR

 日本の会計基準を開発している企業会計基準委員会(ASBJ)と、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を策定するIASB(国際会計基準審議会)は6月10日、日本の会計基準をIFRSに近づけることを目指す「東京合意」に基づくコンバージェンス作業について達成状況を発表した。

 東京合意は2007年8月に両者が結んだ合意で、2011年6月30日までに目標を達成することを目指している。主に日本の会計基準を改正し、IFRSに近づけるコンバージェンス作業を行ってきた。

 作業プロジェクトは改正する会計基準によって「短期コンバージェンス・プロジェクト」と「その他のコンバージェンス・プロジェクト」がある。短期コンバージェンス・プロジェクトは日本の会計基準とIFRSの間の主要な差異の解消を目指す内容で、2008年末までに目標を達成した。改正または公表されたのは「工事契約」や「資産除去債務」「棚卸資産の評価」など9つの会計基準だった。

 その他のコンバージェンス・プロジェクトは、短期コンバージェンス・プロジェクトに含まれていない会計基準の改正と、IFRS自体の改正に合わせて行われている日本基準の改正作業の2つに分けることができる。

 前者については「セグメント情報に関するマネジメント・アプローチの導入」「過年度遡及修正」「包括利益の表示」「企業結合(ステップ 2)」「無形資産」があり、2011年6月30日を期日に改正作業を進めてきた。「セグメント情報に関するマネジメント・アプローチの導入」「過年度遡及修正」「包括利益の表示」は既に改正済み。「企業結合(ステップ 2)」と「無形資産」については2011年第3四半期に公開草案を公表する予定で、IASBとASBJは「おおむね目標が達成されている」と評価している。

 IFRS自体の改正は主に米国会計基準との覚書(MoU)に基づくコンバージェンス作業が影響している。IFRS自体の改正作業は遅れていて、日本側の作業もずれ込んでいる(参考記事:IFRS改訂作業にさらなる遅れ、日本企業にも影響か)。

 IASBとASBJは6月6〜7日に東京で共同会議を開催し意見を交換した。「日本でのIFRS の任意適用に関連して、日本で生じているさまざまなIFRSの解釈上および実務上の検討課題」についても意見交換したという。

関連リンク

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

情報をお寄せください:

@IT Sepcial

IFRSフォーラム メールマガジン

RSSフィード

イベントカレンダーランキング

@IT イベントカレンダーへ

利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | サイトマップ | お問い合わせ
運営会社 | 採用情報 | IR情報

ITmediaITmedia NewsプロモバITmedia エンタープライズITmedia エグゼクティブTechTargetジャパン
LifeStylePC USERMobileShopping
@IT@IT MONOist@IT自分戦略研究所
Business Media 誠誠 Biz.ID