エヌジェーケー、SaaS型BI「DataNature/E」で食品物流を支援独自のBUIで情報を簡単に分析。スマホでの活用も可能

» 2011年06月21日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 ソフトウェア開発を行うエヌジェーケーは6月20日、シンプルなUIで直感的に情報の分析・閲覧ができるBUI(ボタン・ユーザーインターフェース)を採用したBIツール、「DataNature/E」のSaaS提供を開始したと発表した。

 今回は食品物流会社のフーズレックが食品メーカーに提供している「物流情報開示システム」向けに提供。これにより、各食品メーカーは、フーズレックのWebサイトから物流情報開示システムにアクセスし、「DataNature/E」を使って自社製品の所在、数量、賞味期限を追跡したり、製品の入荷情報、在庫情報などをグラフや集計表を使って容易に把握することが可能になった。今後は「DataNature/E」を他業種にも提供予定だという。

ほしい情報のボタンを押して、簡単・瞬時にドリルダウン 

 製品の品質・安全性を担保する上で、メーカー/物流事業者にとってトレーサビリティの担保が不可欠な要件となっている。特に食品は鮮度が問われるだけに、他の製品ジャンル以上にシビアな管理が求められる。

 今回はそうした背景を見据えたフーズレックからの要望を受けて、「DataNature/E」をSaaSで提供。フーズレックが物流情報開示システムで管理している物流過程のデータを、各食品メーカーの担当者がフーズレックのWebサイトを通じて、あらゆる切り口から手軽に閲覧できる環境を整えた。

 具体的には「DataNature/E」が稼働するエヌジェーケーのSaaSサーバに、物流情報開示システムの各種データをスケジューリングしたタイミングでアップロード。これにより、追跡対象データの検索や、グラフ、集計表を使った分析・閲覧を実現する仕組みとしている。

写真 「DataNature/E」が稼働するエヌジェーケーのSaaSサーバに、物流情報開示システムの各種データをスケジューリングしたタイミングでアップロードすることで、最新データの分析・閲覧を実現する

 「DataNature/E」の大きな特徴は、エヌジェーケーの独自特許技術である「ボタン・ユーザー・インターフェース」(以下、BUI)を採用し、目的の情報を直感的に絞り込める仕組みとしていること。

写真 エヌジェーケーの独自特許技術である「ボタン・ユーザー・インターフェース」(以下、BUI)のイメージ。目的の情報を直感的に絞り込める

 例えば「出荷情報」のうち、「30日以内」というボタンをクリックすると、30日以内に出荷された全製品のボタンが表示され、そのうち追跡したい製品のボタンを押すと、その所在、数量、賞味期限などを閲覧できるボタンが表示されるといった具合に、ボタンを使って関連情報を絞り込み表示し、知りたい情報に向けて直感的にドリルダウンできる仕組みとしている。

 これによりフーズレックの「物流情報開示システム」を利用している食品メーカー各社は、物流経路上にある自社製品の状況を瞬時に把握できるほか、物流関連データを無駄の削減や収益向上にも効果的に役立てることが可能となった。加えて、定型帳票のWebレポート/PDF/Excel出力も可能であり、業務現場における日常的な情報活用を大きくサポートできるという。

写真 グラフ、集計表のイメージ。あらゆる情報をひと目で把握可能とする。定型帳票のWebレポート/PDF/Excel出力も可能

 なお、「DataNature/E」のBUIは、SaaSサーバにアップされたデータから自動生成し、事前の設計・定義を一切必要としない。このためSaaSという提供形態と合わせて迅速に導入・活用できる。また、このBUIを一般的なITシステムで利用可能とする「BUIモジュール」も用意しているため、「DataNature/E」のBI機能はPC環境のほか、スマートフォンや携帯端末でも利用可能だという。

 エヌジェーケーでは「本製品は“現場ユーザーの目線で”企業データの見える化を推進できるクラウドソリューション。優れた費用対効果で情報有効活用を支援できる。今後は物流業界に限らず、さまざまな業種・業態にDataNature/Eを展開していく予定」とコメントしている。

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