OnCommandに新機能を追加

ネットアップが管理製品を拡充、他社との連携を強化

2011/06/28

 ネットアップは6月28日、同社ストレージの管理ツール「NetApp OnCommand」の新製品を同日に提供開始したと発表した。また、同社がIT製品・サービスベンダと幅広いエコシステムを構築していることをアピールした。

 OnCommandは複数の製品で構成されるストレージ/ITインフラ管理製品群。今回新たに、「OnCommand Unified Manager」「OnCommand Insight Balance」「OnCommand Insight Assure, Plan, Perform」が加わった。既存製品に変更はない。

netapp01.jpg 統合自動管理と測定・分析で新製品が加わった

 OnCommand Unified Managerはストレージをサービスとして管理できるようにする製品。LUNや仮想マシンデータに対するスナップショット(バックアップ)や複製、シン・プロビジョニングの適用などの運用ポリシーを「ストレージサービス」として定義し、これをカタログ化できる。そのうえで新規LUNや仮想マシンが必要とするストレージサービスをサービスカタログから選択することで、半自動的にアプリケーションや用途に応じたストレージ機能の適用が可能。仮想化環境への対応は、サーバ仮想化管理ツールとの連動で行う。

netapp02.jpg OnCommand Unified Managerはサービスカタログに基づくポリシーベースの管理を実現

 OnCommand Insight Balanceは、ネットアップが買収したAkorriの管理ツール「BalancePoint」を統合したもの。この製品は、アプリケーションのレスポンスを監視し、性能のボトルネックを識別、改善のための対策をアドバイスすることができる。OnCommand Insight Assure, Plan, Performは、これまで「SANscreen」と呼んでいた製品。容量管理や可用性管理が可能で、部署別のストレージ利用データに基づくチャージバック(コスト配賦)ができる。

 また、これらの新機能が加わったOnCommandおよびネットアップ・ストレージのOSであるData ONTAPと、他社ITシステム/仮想化管理ツールとの連携を積極的に促進する。このため、ネットアップは管理ソフトウェア企業を対象とした「クラウド・マネジメント・パートナー」プログラムを開始したと発表した。同社はすでに、VMware vCenterのスナップインを提供するなど、個別に他社管理製品との連携を進めている。今回はこれをプログラム化することで、より幅広いパートナー連携を目指している。同プログラムのもとで、ネットアップはOnCommandおよびData ONTAPの機能にアクセスするAPI、ツールキット、レファレンス、トレーニング、サポートなどを提供。管理ツールベンダはこれを受けて自社製品にネットアップ・ストレージとの連携機能を組み込む。パートナーとして、マイクロソフト、ヴイエムウェア、CA、BMC、Tivoli、富士通、newScale、abiquo、Cloud.com、DynamicOps、Netuitiveなどの名が挙がっている。

 今回のクラウド・マネジメント・パートナー・プログラムに先立ち、ネットアップはシステム・インテグレータ、インフラベンダ、サービスプロバイダとの広範なパートナー・プログラムを展開してきたと、米ネットアップ グローバル・パートナー・セールス担当 シニアバイスプレジデントのジュリー・パリッシュ氏は説明した。

netapp03.jpg ジュリー・パリッシュ氏

 インフラパートナーとの連携では、例えば2010年10月に事前検証済みのクラウドシステムパッケージ「FlexPod」をシスコと共同で発表した。これは「EMC(、ヴイエムウェア、シスコの)Vblockと競合するもの」(パリッシュ氏)。しかし2つの大きな違いがあると同氏は主張する。

 「1つは100パーセント、パートナーを通じて販売すること。もう1つは事前検証済みのソリューションが多いこと」。今回、FlexPodではネットアップ、シスコのUnified Computing System、ヴイエムウェアのVMware vSphereのうえで、SAPアプリケーションやXenDesktopを事前検証済みアプリケーションリストに追加したことを明らかにした。すでにSharePoint、VMware View、Oracle Database、Exchange、SQL Serverは検証済みとしている。

 また、ネットアップはマイクロソフトのHyper-V Fast Trackにも、シスコと共同で参加している。

 検証済みのソリューションで組んでいるサーバベンダはシスコのみだが、シスコと特別な関係を構築しているわけではないという。シスコが自社でストレージを提供していないため、組みやすかっただけで、どのサーバベンダとも等距離で協業していくとしている。たとえばIBMは、Hyper-V Fast Trackに、Nシリーズ(ネットアップのストレージ)との組み合わせで参加しているという。

(@IT 三木泉)

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