EMCジャパン、「今後はビッグデータの効率的な活用が必須」「経済活動のポイントは、非構造化データに含まれている」

» 2011年07月06日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 EMCジャパンは7月5日、“業績改善に役立つ大量の構造化データ/非構造化データ”――いわゆる「ビッグデータ」の管理・処理に対する自社製品の対応について説明会を行った。同社代表取締役社長の山野修氏は、「今後は大量データから顧客動向、市場動向をつかみ、意思決定に役立てていくことが必須。これまでに買収したグリーンプラム、アイシロン・システムズの製品展開を通じ、企業の情報活用を支援していく」と訴えた。

10年後、データは50倍。システム管理者はたった1.5倍

 企業を取り巻く業務データは増加の一途をたどっている。IDCの調べによると、企業が抱える情報量は今後10年間で50倍に増え、企業のサーバ数は10倍、ファイル数は75倍になると見られている。一方で、それらを運用するシステム管理者は現在の1.5倍にしか増えないという。

 山野氏はそうした状況を挙げ、「今後は構造化データだけではなく、Twitterをはじめとするソーシャルメディア内のテキストデータなど、非構造化データも管理・分析し、意思決定に役立てることが業績向上のポイントになるとされている。従って、“ビックデータ”をビジネスに生かしていくためには、限られたリソースで確実かつ効率的にデータを管理・処理できる体制整備が不可欠となる」と解説。2010年までに買収した、アイシロン・システムズとグリーンプラムの製品により、「ビッグデータを効率よく処理できる体制整備を支援していく」として、両製品の特徴を紹介した。

 例えばビッグデータ管理に対し、「従来のスケールアップ型のNASでは、データの増加に合わせた拡張が困難という問題があったが、スケールアウト型のアイシロン製品なら、ノードを追加していくだけで容量を拡張できる。また、従来のNASでは数百のボリュームを管理しなければならなかったが、弊社製品ではシングルボリュームとして扱えるため運用管理負荷が低いことも特徴だ」(アイシロン事業本部長 江尾浩昌氏)という。

 一方、構造化データのデータ処理を実現する製品「Greenplum Database」と、Hadoopのディストリビューションである「Greenplum HD」の提供により、「構造化データと非構造化データ処理の連携を支援する」点もポイントだという。

 これについて、常務執行役員 ストラテジー・アライアンス統括本部長の徳末哲一氏は、「顧客一人一人の購入履歴、プロファイルなども、“製品購入という意思決定”の根拠にはなるが、たまたま訪れた店員の印象や対応が良かった、といったことも意思決定の重要な要素となる」と指摘。「市場動向、顧客動向は構造化データだけでは測れない。むしろ経済活動のポイントは非構造化データに含まれていることが多い」と述べ、両製品の連携が、企業の業績向上を強力に支援できることを訴えた。

 山野氏は、「大量のデータを蓄積・管理していても有効活用には至っていないケースも多い。今後はメーカーをはじめ、あらゆる業種・業態の企業にとって、自社を取り巻く大量データから顧客動向、市場動向をつかんでスピーディに意思決定に役立てていくことが必須となるはずだ」と力説。アイシロン・システムズ、グリーンプラムの製品展開を通じて「企業の情報活用、経営の意思決定を支援していきたい」とまとめた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ