XenClientも本番利用向けに提供開始

XenDesktop 5.5発表、クラウドも社内アプリもシングルサインオン

2011/09/08

 シトリックス・システムズ・ジャパンは、同社のシンクライアント製品の新バージョン「Citrix XenDesktop 5.5」「XenApp 6.5」を、今年第4四半期中に提供開始する。また、ユーザーPCを仮想化するクライアントハイパーバイザの新バージョン、「Citrix XenClient 2」の国内提供を開始した。シトリックスはこれらをはじめとする新製品や新たな取り組みを、9月8日に発表した。

XenDesktopではパーソナライズが強化

 XenDesktopの新版では、まずパーソナライズ機能が強化された。これまでのデスクトップ仮想化では、各ユーザー専用に仮想マシンを割り当てるか、共通の仮想デスクトップイメージを使わせ、これに個人フォルダや個人プロファイルの設定を適用するという方法で個別対応を行ってきた。今回の「Personal vDisk」という機能では、各ユーザー専用の「仮想ディスク」を用意し、これを個別のアプリケーションやデータの領域として、共通の仮想デスクトップイメージに結合する形でパーソナライズを行う。シトリックスが最近買収したRingcubeという企業の技術だ。当初はアーリーアクセス版としてダウンロード提供するという。

 デスクトップ接続プロトコルICAとその周辺技術であるHDXには、150以上の改善や機能強化が行われたという。まずICAの新機能「マルチストリームICA」では、アプリケーションストリームを4つに分割し、それぞれにアプリケーションを割り当てて、優先付けができるようになった。音声はさらに別個のストリームで扱われる。WANなどの狭帯域でも、特定アプリケーションを確実に利用できる。

citrix01.jpg アプリケーションに応じて優先度を設定できるマルチストリームICA

 グラフィックスの扱いについても、多数の機能強化が行われた。まず、FlashやWindows Mediaのレンダリングをユーザー端末に実行させる機能が改善した。Hyper-Vを仮想化環境として利用している場合は、RemoteFXもサポートされる。また、サーバ側の複数のGPUを複数の仮想デスクトップで共用できるようになった。さらに、ネットワーク帯域に応じた動画の品質(フレームレート/解像度)制御が、自動的に行われるようになった。

 SaaS利用の広がりに対応する新機能は、今年中に「Citrix NetScaler」で提供される「Citrix Cloud Gateway」。これによりユーザーは、XenDesktop/XenAppのクライアント側ソフトウェアである「Citrix Receiver」から、社内外のSaaS/Web/Windowsアプリに対してシングルサインオンできるようになる。

citrix02.jpg 多様な端末に対応するのはXenDesktopの大きな特徴

 シトリックスは併せてWAN最適化の新製品「Branch Repeater 6」を9月下旬に提供開始すると発表した。デスクトップグループやアプリケーション単位で優先度付けができるほか、マルチストリームICAに対応する。

XenClient 2は53モデルに正式対応

 PCを仮想化するクライアントハイパーバイザの「XenClient」では、新バージョン「XenClient 2」の提供開始が発表された。

 XenClient 2では、AMDのGPU「Fire」「Radeon」を新たにサポートするなど、対応PCが従来の3倍の53モデルに拡大した。対応OSについては、Windows 7 SP1 64ビット、Ubuntu 11.04に新規対応した。ユーザーインターフェイスも新しくなった。

citrix03.jpg XenClientは、サーバ側との仮想マシン/データ同期が可能

 XenClient 2は、XenDesktopのEnterprise以上のエディションに、機能として組み込まれる。シトリックスは、利用環境を限定した無償の「XenClient 2 Express」も広くダウンロード提供する。

ユーザーの利用環境から入る導入計画支援サービス

 シトリックスは一方で、新たなサービス「デスクトップ トランスフォーメーション アセスメント サービス」を提供開始した。

 これはマシンスペックや台数から入る導入コンサルティングではなく、ユースケース分析から入る上流コンサルティング。ユースケース分析に基づいてデスクトップ配信モデルを決定、これに続いて「デスクトップ仮想化要件分析」としてビジネス上の重要度や優先度を決めるという。

デスクトップ仮想化を含むDRが注目される

 シトリックスのマーケティング&ビジネスディベロップメント本部 本部長 伊藤利昭氏は市場状況について、震災後はIT市場規模こそわずかに縮小傾向であるものの、IaaSやDR関連サービスへの注目が大きな高まりを見せていると話した。さらに、シトリックスの今年の主なデスクトップ仮想化事例として、大和総研、ネットワンシステムズ、ENEOSグループ、三菱東京UFJ銀行、広島大学を挙げ、DaaSサービス事業者としてはNTTデータ、NTTドコモ、新日鉄ソリューションズ、アイネットが加わったと話した。ネットワーク/クラウド関連の導入事例としては北海道大学、三菱東京UFJ銀行、ネットワン、アイネット、トレンドマイクロ、IDCフロンティアを挙げた。

 9月8日に発表されたデスクトップ仮想化関連製品は、シトリックスが10月4日に東京で開催する「Citrix iForum 2011」で広く紹介される。上記の導入ユーザーによる講演も予定されている。

(@IT 三木泉)

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